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1回目ウイルスベクター、2回目mRNA、異なるワクチン接種によるコロナ抑制効果は?

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2021年10月28日 PM02:30

コロナワクチン接種は1回目と2回目で種類を変えると効果的

)に対するワクチン接種では、2回ともウイルスベクターワクチンである英アストラゼネカ社製のワクチンを接種するよりも、1回目にアストラゼネカ社製、2回目にはmRNAワクチンである米ファイザー社製、または米モデルナ社製のワクチンを接種する方が効果的であるとする研究結果が報告された。ウメオ大学(スウェーデン)のPeter Nordström氏らによるこの研究結果は、「The Lancet Regional Health – Europe」に10月17日掲載された。


画像提供HealthDay

欧州医薬品庁が、アストラゼネカ社製のワクチンと、非常にまれながらも重篤で致死的になることもある血栓症発症とを関連付けて以来、ヨーロッパの多くの国では、同ワクチンの一部、あるいは全国民への接種を停止する動きが広まった。その結果、いくつかの国では、1回目と2回目で異なるワクチンを接種する「異種混合接種」が推奨されている。直近の研究では、アストラゼネカ社製ワクチンの接種後にmRNAワクチンを接種した人では、アストラゼネカ社製ワクチンを2回接種するよりも、強力な免疫反応が得られることが報告されている。しかし、異種混合接種の安全性や、COVID-19発症に対する有効性に関するデータはまだ十分に得られていない。

そこでNordström氏らは、スウェーデンで2021年7月5日までに2回のCOVID-19ワクチンの接種を終えた人(344万5,061人)の中から、1回目にアストラゼネカ社製、2回目にファイザー社製のワクチンを接種した9万4,569人、1回目にアストラゼネカ社製、2回目にモデルナ社製のワクチンを接種した1万6,402人、2回ともアストラゼネカ社製ワクチンを接種した43万100人を抽出。さらに対照として、上記の人々がワクチン接種を終えた時点で未接種だった18万716人も選び出し、COVID-19の発症について、コホート間で比較した。なお、この研究が実施されたのは、スウェーデンでデルタ株が猛威を奮っていた時期だという。

2回目接種から平均76日(範囲1〜183日)の追跡期間中にCOVID-19を発症したのは、異種混合接種群で187人、未接種群で306人であり、罹患率は、前者で10万人年当たり2.0人、後者で10万人年当たり7.1人だった。異種混合接種群を、2回目に接種したワクチンの種類で分けて解析すると、ワクチンの有効性は、アストラゼネカ社製/ファイザー社製で67%、アストラゼネカ社製/モデルナ社製で79%だった。また、異種混合接種をまとめて解析した場合でのワクチン有効性は68%であり、2回ともアストラゼネカ社製のワクチンを接種した場合(50%)に比べて、有意に大きな効果が見込めることが明らかになった(交互作用のP<0.001)。

Nordström氏は、「COVID-19ワクチンは、接種しないよりは接種した方が良いし、1回接種よりも2回接種する方が良い。しかし今回の研究から、2回ともウイルスベクターワクチンを接種するよりも、初回にウイルスベクターワクチン、2回目にmRNAワクチンを接種する方が、COVID-19の発症リスクが大幅に低減することが明らかになった」と述べている。

なお、この研究では、ワクチン接種後の血栓発生率は低かったという。また、入院を要するほど重症化したCOVID-19の症例も極めて少なかったため、重症化に対するワクチンの有効性を算出することはできなかったと研究グループは説明している。

研究論文の共著者である同大学老年医学のMarcel Ballin氏は、「世界保健機関(WHO)は、異種混合ワクチン接種による免疫応答に関して有望な結果が報告されているにもかかわらず、臨床転帰に対する安全性と有効性を調査するためのより大規模な研究の実施が必要だと訴えていた。今回の研究は、そのような大規模研究の一つに当たるだろう」と述べている。(HealthDay News 2021年10月18日)

▼外部リンク
Effectiveness of heterologous ChAdOx1 nCoV-19 and mRNA prime-boost vaccination against symptomatic Covid-19 infection in Sweden: A nationwide cohort study

HealthDay
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