医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 海外 > 新型コロナワクチン接種後の抗体価、一般集団と比べがん患者は?-イスラエルの研究

新型コロナワクチン接種後の抗体価、一般集団と比べがん患者は?-イスラエルの研究

読了時間:約 1分40秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2021年09月24日 PM01:00

コロナワクチン接種6カ月後のがん患者の免疫は一般集団と同等

米ファイザー社製の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン(商品名コミナティ)を2回接種した固形がん患者では、1回目の接種から6カ月後も、がんでない人と同等の抗体価を維持しているとする研究結果が報告された。ランバムヘルスケアキャンパス(イスラエル)のIrit Ben-Aharon氏らが実施したこの研究の詳細は、「Cancer Discovery」9月号に掲載された。


画像提供HealthDay

Ben-Aharon氏らは、固形がん患者154人(年齢中央値66歳、男性55%)と、がんではない対照者135人(年齢中央値63歳、男性44%)を対象に、ファイザー社製ワクチンの1回目接種から6カ月(187日)後に血清検査を行い、血清学的状態やワクチンの安全性、新型コロナウイルスへの感染率について調べた。がん患者のがん種として多いのは、消化器がん(36%)、肺がん(23%)、乳がん(17%)、泌尿生殖器がん(11%)で、全体の84%に転移が認められ、ワクチン接種期間中も抗がん剤や生物学的製剤などによる積極的な治療を受けていた。

その結果、1回目接種から6カ月後に新型コロナウイルスに対する抗体が陽性であった人の割合は、がん患者で79%(122人)、がんではない対照者で84%(114人)と、ほぼ同等であることが明らかになった。抗体価は、両群とも6カ月後までに大幅に低下したものの、閾値以上を保っていて、両群間に有意差は認められなかった。新型コロナウイルス感染者は、がん患者群でのみ1人報告された。

Ben-Aharon氏は、「われわれの研究から、免疫原性(ワクチンが免疫反応を誘導する能力)、感染率、ワクチン接種の安全性などを含めたいずれのアウトカムについても、固形がん患者は一般集団とほぼ同じ傾向を示すことが明らかになった」と述べている。そして、「このデータは追加接種を推奨する上で参考になるものだ」との見方を示している。

なお、米国31カ所のがんセンターで構成される非営利団体の米国総合がんセンターネットワーク(NCCN)は、まずは、造血細胞移植や細胞療法を受けている血液がん患者に優先的に追加接種を行い、その後で固形がん患者に接種を行うことを推奨している。(HealthDay News 2021年9月8日)

▼外部リンク
Six Month Efficacy and Toxicity Profile of BNT162b2 Vaccine in Cancer Patients with Solid Tumors

HealthDay
Copyright c 2021 HealthDay. All rights reserved.
※掲載記事の無断転用を禁じます。
このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 海外

  • 高濃度乳腺女性の乳がん判定、MRI画像のAIによる解析が有効な可能性
  • ファイザー製ワクチンの感染予防効果は半年で大きく低下-カタール・イスラエルの報告
  • 慢性腰痛患者の痛みに対する心理療法の効果を検証、その結果は?
  • 人獣共通感染症のリスク判定をする機械学習モデル開発、新型コロナウイルスの判定は?
  • 大気汚染が出産に及ぼした影響、2019年は早産600万件、低出生体重児出産300万件?