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「花粉」が、慢性骨盤痛患者の一部で症状再燃の引き金に?

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2021年01月22日 PM02:00

花粉飛散量が多いと慢性骨盤痛の症状が悪化する?

花粉飛散量が増えると肺に悪影響を及ぼすことはよく知られているが、一部の人では骨盤痛が悪化し得ることが、新たな研究で示唆された。米ワシントン大学医学部のSiobhan Sutcliffe氏らによるこの研究結果は、「Journal of Urology」に12月21日掲載された。


画像提供HealthDay

泌尿器科慢性骨盤痛症候群(UCPPS)は、骨盤あるいは膀胱に生じる痛みや排尿障害を主症状とし、慢性化して機能障害を引き起こすこともある。また、UCPPS患者には、アレルギーまたは喘息持ちの人の割合が平均より高く、抗ヒスタミン薬などのアレルギー治療薬により症状が改善される患者もいる。

Sutcliffe氏らは、UCPPSとアレルギーとの関連に着目し、花粉飛散量が多いときに症状が再燃しやすいのではないかと考え、その関連を検討した。対象としたのは、慢性骨盤痛に関する研究に参加したUCPPS患者290人である。患者の症状が再燃したときと症状再燃がないときの花粉飛散量を比較した。

その結果、日々の花粉飛散量の変動とUCPPSの症状再燃との間には関連が認められなかった。しかし、花粉飛散量が中等量または大量の閾値を超えた場合には、UCPPSの症状再燃が有意に増加し、閾値を超えた1、2日後の症状再燃率は、患者全体では22%、アレルギー持ちの患者では33%増加したことが明らかになった。また、症状再燃は花粉飛散量が中等量または大量の閾値を超えてから3週間後でも、アレルギー持ちの患者では23%高かった。

こうした結果を受けてSutcliffe氏は、「今回の研究から、花粉飛散量の増加により、UCPPSの症状再燃が引き起こされる可能性を示唆するエビデンスが得られた。花粉飛散量との関連が証明されれば、UCPPS患者の症状再燃がどのような機序で生じるのかだけでなく、予測不能な痛みの発作の治療と予防についての理解につながるだろう」と述べている。

さらにSutcliffe氏は、「UCPPS患者の一部で、花粉が本当に症状再燃の引き金となっているのなら、今後の研究と患者ケアに関連してくる。例えば、患者は、花粉飛散量の多い日には抗ヒスタミン薬を服用したり、アレルギーの検査や免疫療法を受けることで、ベネフィットが得られるだろう」と話している。(HealthDay News 2021年1月8日)

▼外部リンク
Does Pollen Trigger Urologic Chronic Pelvic Pain Syndrome Flares? A Case-Crossover Analysis in the Multidisciplinary Approach to the Study of Chronic Pelvic Pain Research Network

HealthDay
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