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新型コロナの致死率、季節性インフルエンザと比較してどのくらい高い?

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2021年01月07日 PM03:00

COVID-19の致死率はインフルエンザよりもはるかに高い

)は季節性インフルエンザ(以下、)よりも重症化しやすく、致死率も高いことを示した2件の研究結果が報告された。


画像提供HealthDay

1件目の研究は、米ワシントン大学セントルイス校のZiyad Al-Aly氏らが、「The BMJ」に12月15日報告したもの。同氏らは、米国の退役軍人省のデータを用いて、2020年2月1日から6月17日までにCOVID-19で入院した3,641人(平均年齢69.03歳)と2017年1月1日から2019年12月31日までにインフルエンザで入院した1万2,676人(平均年齢70.25歳)の臨床症状や致死率を比較検討した。

その結果、致死率はインフルエンザ患者群の5.3%に対してCOVID-19患者群では18.6%であり、COVID-19患者群の死亡リスクが約5倍高いことが示された(ハザード比4.97)。COVID-19による死亡リスクが特に高いのは、慢性腎臓病(CKD)や認知症を有する75歳以上の人、肥満や糖尿病、CKDを有する黒人であることも分かった。

また、COVID-19患者群ではインフルエンザ患者群と比べて、人工呼吸器による呼吸管理が必要となるリスクが約4倍、集中治療室(ICU)への入室リスクが約2.4倍高く、入院期間は平均で3日長いことも判明した。

このほか、COVID-19患者群ではインフルエンザ患者群と比べて、糖尿病の発症件数が100人当たり9件多いことも示された。この結果は、Al-Aly氏らにとって予想外であったという。「これらの患者には糖尿病の罹患歴がなかったにもかかわらず、COVID-19罹患後に血糖値が急激に上昇し、大量のインスリンを必要とする状態に陥った。この状態は元に戻せるのか、あるいは長期的な管理が必要になるのか。今後、1型あるいは2型の糖尿病になるのか。COVID-19は1年前には存在していなかったため、いずれについても現時点では不明だ」と同氏は言う。さらに、COVID-19患者では、急性腎障害や重度の敗血症性ショック、昇圧薬を必要とする重度の低血圧などのリスクが高いことも示された。

2件目の研究は、フランス国立保健医学研究所(INSERM)のPascale Tubert-Bitter氏らが実施したもので、「The Lancet Respiratory Medicine」に12月17日掲載された。同研究では、今回のCOVID-19パンデミックで最多を記録したときの入院患者数は、2018/2019シーズンのピーク時のインフルエンザ入院患者数の約2倍であり、致死率は約3倍に達したことが示された。

この研究では、2020年3月1日から4月30日の間にCOVID-19で入院した患者のデータと2018/2019シーズンの3カ月間(12~2月)にインフルエンザで入院した患者のデータとが比較検討された。この間の入院患者数は、COVID-19で8万9,530人、インフルエンザで4万5,819人であり、入院死亡率は、COVID-19で16.9%、インフルエンザで5.8%であった(COVID-19による死亡の相対リスク2.9)。

この結果について同氏は、「フランスでは、2018/2019シーズンは過去5年間で最も多くのインフルエンザによる死亡者数を記録した。このことを考慮すると、COVID-19の致死率が、そのときのインフルエンザの致死率の3倍も高いとするこの結果は衝撃的だ」と話している。また、「われわれの研究結果は、COVID-19がインフルエンザよりもはるかに重篤な疾患であることを明確に示したものだ」と付け加えている。(HealthDay News 2020年12月18日)

▼外部リンク
Comparative evaluation of clinical manifestations and risk of death in patients admitted to hospital with covid-19 and seasonal influenza: cohort study
Comparison of the characteristics, morbidity, and mortality of COVID-19 and seasonal influenza: a nationwide, population-based retrospective cohort study

HealthDay
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