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スーパーで砂糖入り商品の販売制限をすると、健康にどんな影響が?豪で12週間実験

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2020年10月22日 PM02:45

砂糖入り商品の販売制限で公衆衛生の改善と利益維持を両立

スーパーマーケット(以下、スーパー)で糖分の多い食品の販売促進を制限することにより、店の利益に影響を及ぼすことなく、公衆衛生を改善できる可能性があるとする研究結果を、モナッシュ大学()准教授のJulie Brimblecombe氏らが、「The Lancet Planetary Health」10月号に発表した。


画像提供HealthDay

この研究は、オーストラリアの農村地域にあるスーパー20店舗を対象にしたもの。研究チームは、対象店舗の半数を、12週間にわたり販売促進に関して介入を行う群(介入群)に、残りの半数を、通常通りの販売を行う群(対照群)に割り付け、砂糖入りの飲料や食品の販売促進制限が、食品や飲料の購買量や店の営業成績に与える影響を検討した。

介入対象となった食品は、砂糖入り飲料〔ソフトドリンク(アルコールを含まない炭酸飲料、清涼飲料水など)、フルーツジュース他〕、砂糖を使った菓子類やその他の甘味類、テーブルシュガー(主にグラニュー糖)、甘いビスケット類などである。これらを対象に、特売の制限、ポスターでの宣伝の禁止、人通りの多い通路や棚の両端、売り台への陳列の取りやめ、砂糖入り飲料用冷蔵スペースの削減、冷蔵スペースでの600mL以上のソフトドリンクの販売中止、水など健康的な飲料の販売促進、ソフトドリンクの砂糖含有量のリスト表示、などの介入を行った。

その結果、介入群では、砂糖入りの食品や飲料中の遊離糖類(食品や飲料に添加される糖類や、蜂蜜、シロップ、果汁などに天然に存在する糖類)の量が2.8%減少したことが明らかになった。これは、砂糖の量に換算すると、約1.8トンに相当するという。介入対象となった砂糖入り飲料の販売量は8.4%減少し、遊離糖類量は6.8%減少した。特に、ソフトドリンクの販売量は13.2%減、遊離糖類量は13.4%減と減少の幅が大きかった。さらに、菓子類に含まれる遊離糖類量は7.5%の減少であった。

一方、テーブルシュガーと甘いビスケット類の売上は、統計的に有意な減少が認められなかった。この原因としてBrimblecombe氏らは、これらの商品はもともと、店内の一番目立つ場所に陳列されることはあまりなく、そのため、衝動買いの対象となる可能性も低いためだと推測している。

売上総利益で見ると、ソフトドリンクや砂糖菓子の購買減少が目立ったものの、介入により業績がマイナスの影響を受けることはなかった。

こうした研究結果についてBrimblecombe氏は、「今回の研究は、販売促進活動の制限に、健康に悪い食品や飲料の売り上げを減らす効果があることを示した初めての研究である」と評価する。そして、「このような販売促進活動の制限は、食生活の改善と、食事に関連して生じる非伝染性疾患の減少につながるものであり、健康面において重要な意味を持つ。それと同時に、スーパーが責任ある小売業者として自らを位置付け、営業成績を落とさずに、顧客からの信頼を強めることができる可能性を示すものでもある」と述べている。

論文の共著者で、Menzies School of Health Research(オーストラリア)の主任研究員であるEmma McMahon氏によると、同氏らは、今回の研究で用いた介入策は、テーブルシュガーのような主要食品よりも、甘いビスケットのような、衝動買いの対象となる商品に最も有効であることを予想していたという。そして、「ビスケット類とテーブルシュガーのような商品に対する購買行動を変えるには、それぞれに異なる介入策を考案する必要がある」と述べている。(HealthDay News 2020年10月9日)

▼外部リンク
Effect of restricted retail merchandising of discretionary food and beverages on population diet: a pragmatic randomised controlled trial

HealthDay
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