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新型コロナ、将来は季節性感染症に?専門家の意見は

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2020年09月28日 PM02:45

COVID-19が季節性感染症になる可能性は?

新型コロナウイルス感染症()を引き起こすSARS-CoV-2は、これまでに現れた呼吸器感染症の原因ウイルスとはかなり異なる特徴を持つ。それでも、いずれCOVID-19もインフルエンザのような季節性感染症の一種になる可能性があるとする、ベイルート・アメリカン大学(レバノン)のHassan Zaraket氏らのレビュー論文が、「Frontiers in Public Health」9月15日オンライン版に掲載された。


画像提供HealthDay

Zaraket氏は、COVID-19が季節性感染症になるかどうかのシナリオは、さまざまな不確定要素に左右されるとしている。多くのウイルス性呼吸器感染症に季節性が見られ、気温や湿度の影響を受けるが、SARS-CoV-2は今のところその気配がない。実際、米国では夏季に感染者数が急増した。既存のウイルス性呼吸器感染症が、ときに流行シーズン以外に感染拡大する場合、その原因の一つとして限られたスペースに人が密集するようなイベントが挙げられる。例えば、メッカ巡礼の時期に生じる流行などが報告されている。

2020年1~2月にかけて中国から、COVID-19の感染率は高温環境下では低下するとの研究結果が報告された。しかし同時期に同じ中国で実施された別の研究からは、気温や湿度が上昇しても感染拡大に影響を及ぼさないとする結果が発表された。その後は多くの国で外出禁止・自粛をはじめとするさまざまな介入が一定程度奏効していることもあり、COVID-19と気候との関連を十分検討できていない。

1960年以降、7種類のコロナウイルスがヒトに感染を起こすことが確認された。今世紀に入ってからは、SARS-CoV-1〔重症急性呼吸器症候群(SARS)のウイルス〕、-CoV〔中東呼吸器症候群()のウイルス〕、および今回のSARS-CoV-2という3種類が新たに出現した。このうちSARSは終息宣言が出されているが、MERSはいまだ局地的な流行を繰り返しており、その流行に季節性は認められない。

感染症の終息には、基本再生産数(R0)が1未満になる必要がある。COVID-19は現在これを超過している。インフルエンザも冬季はR0が1を超えるが、春の訪れとともに1を下回り、やがて終息する。しかしCOVID-19は抗体を持たない未感染者が多いため、仮に湿度や気温が感染力に影響を及ぼすとしても、パンデミック抑制作用は低下する。

Zaraket氏らは以上のような文献的考察の上で、「公衆衛生的介入がなければCOVID-19は季節に関係なく拡大するだろう。しかし、いずれは自然感染またはワクチン接種により集団免疫が獲得されて、R0が大きく低下し、他の呼吸器感染症の原因ウイルスと同様に、季節変動のある感染症の一つになると予測される」と結論づけている。

この考え方に対し感染症の専門家の一部は、「現時点でCOVID-19について、明確に分かっていることが一つだけあるとすれば、それは予測不能なことばかり発生する感染症だということだ」と指摘し、この発表を慎重に受け止めるべきとの意見を表している。

そんな中、米国感染症学会(IDSA)のAaron Glatt氏は、Zaraket氏らの見解を「妥当な推測ではある」と評価している。しかし、COVID-19が季節性感染症になるか否かについて、「現時点ではいずれを支持するエビデンスも、否定するエビデンスも存在しない」とし、「SARS-CoV-1やMERS-CoVも確かにコロナウイルスではあるが、それらが世界中に伝播することはなかった。SARS-CoV-2はそれらのウイルスとは明らかに異質だ」と述べている。

米ニューヨーク市立大学公衆衛生政策大学院のBruce Y. Lee氏も、COVID-19が季節性の感染症になるかどうかは予測できないとの見解を示し、「現時点では、このウイルスが感染しやすい人を簡単に“見つけ出している”ために、季節の影響がマスクされている可能性がある」と説明している。

なお、集団免疫を短期間で獲得するため、若くて健康な人達の間での感染拡大を看過してよいのでないかとの意見もある。これに対してLee氏は、「リスクが低いとされる若い人でも、重症化することがある」と指摘。何より、若い感染者から高齢者などの重症化リスクの高い人たちに、感染が広がる危険性を忘れてはならないと述べている。(HealthDay News 20 2020年9月15日)

▼外部リンク
Seasonality of Respiratory Viral Infections: Will COVID-19 Follow Suit?

HealthDay
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