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抗精神病薬「エビリファイ持続性水懸筋注用」、効能追加の承認取得-大塚製薬

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2020年09月28日 PM12:00

双極Ⅰ型障害における気分エピソードの再発・再燃抑制に対して効能追加

大塚製薬株式会社は9月25日、国内において、「エビリファイ持続性水懸筋注用300mg、400mg、及び300mgシリンジ、400mgシリンジ」について、双極I型障害における気分エピソードの再発・再燃抑制の効能追加の承認を取得したと発表した。

双極性障害は、躁うつ病とも呼ばれる疾患で、躁状態をともなう双極Ⅰ型障害と、軽躁状態をともなう双極Ⅱ型障害に区分される。症状として躁状態とうつ状態を繰り返し、躁状態では、気分の高揚や過活動、易怒性の亢進、さらには病気であるという認識に欠け、治療を拒もうとすることが多くなる。一方うつ状態では、憂うつ感、もの事への関心・意欲の低下、さらには無価値観や不適切な罪責感を伴うことがある。双極性障害は再発率が高いため、長期にわたる治療が必要と言われている。

4週間に1回の投与で効果が持続、成人の統合失調症治療薬としてすでに承認済み

同剤は、大塚製薬が創製した抗精神病薬エビリファイの4週間に1回の投与で効果が持続する筋注用デポ製剤(効力を持続させるために徐々に成分が放出するように作られた薬剤)。2013年に米国および欧州で成人の統合失調症の治療薬として承認され、2015年には日本でも同効能で承認を取得した。また、米国では2017年に成人の双極Ⅰ型障害維持療法の効能が追加されている。

日本を含む米・欧・アジアでの国際共同臨床試験において、同剤はプラセボ投与群と比較して、双極Ⅰ型障害の気分エピソードが再発するまでの時間を有意に延長し(P <0.0001)、再発率でも有意な低下が認められた(P <0.0001)。副作用として、プラセボ群と比較して、体重増加、アカシジア等の増加がみられたが、いずれもすでに報告されている副作用だったとしている。

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