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片頭痛予防薬「塩酸ロメリジン」がCADASILの脳梗塞再発予防に効果-京都府医大

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2020年07月20日 AM11:45

40~60歳から脳卒中危険因子なしで皮質下白質にラクナ梗塞を繰り返し発症する遺伝性脳小血管病

京都府立医科大学は7月17日、これまで脳卒中再発予防に効果的な薬剤がなかった遺伝性脳小血管病「皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症()」に対して、片頭痛予防薬である塩酸ロメリジンが脳梗塞再発予防に効果があることを世界で初めて報告したと発表した。この研究は、同大大学院医学研究科神経内科学水野敏樹教授らの研究グループによるもの。研究成果は、米国医学雑誌「Clinical Neuropharmacology」に掲載されている。


画像はリリースより

指定難病のCADASILは、常染色体優性遺伝形式を示し、若年期からCT・MRIで同定される大脳白質病変が徐々に進行。40~60歳の中年期から脳卒中危険因子がなくても皮質下白質にラクナ梗塞を繰り返し発症し、うつ症状、脳血管性認知症に至る遺伝性脳小血管病だ。NOTCH3遺伝子に変異を認め、病理学的に脳小血管の平滑筋の変性と、電顕でオスミウムに濃染する顆粒(GOM)の蓄積を特徴とし、遺伝子診断または病理診断で確定診断を行う。同疾患の有病率は10万人あたり1.2~3.6人とされ、患者数が極めて少ない稀少疾患であり、根本的な治療法が確立していない。

脳梗塞の予防には通常抗血小板薬が使用されるが、CADASILの場合、これらの薬剤では脳梗塞発症予防が難しく、脳梗塞予防に有効な薬剤が望まれている。

CADASIL患者30人、抗血小板剤+5mg1日2錠を2年間服用で脳梗塞発症が3分の1減少

塩酸ロメリジンは片頭痛予防薬として市販されている薬剤であり、脳血流増加作用があり、脳虚血下の動物実験では脳保護作用が知られている。今回の研究では、CADASILと診断された30人の患者を対象に、抗血小板剤に加えて塩酸ロメリジン5mg1日2錠を2年間服用してもらった。

その結果、年間脳梗塞平均回数は投与前の0.53回と比べ、投与後は0.18回と減少し、脳梗塞の発症が3分の1に減少した。その間、低血圧、ほてり、眠気のため3人が継続して服用できなくなったが、これらの副作用は塩酸ロメリジンですでに報告されており、中止後速やかに改善した。

CADASILは、脳梗塞の再発を繰り返すことで症状が増悪するため、抗血小板剤に加えて塩酸ロメリジンを服用することで脳梗塞を予防することができれば、患者の予後改善が期待される。

塩酸ロメリジンは1990年に認可され、広く片頭痛患者に投与されている安全性・忍容性の高い薬剤であり、CADASIL患者に対しても安全に投薬できることが期待される、と研究グループは述べている。

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