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世界初、「iPS-NKT細胞」を用いた頭頸部がん免疫細胞療法の治験開始-千葉大病院ほか

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2020年06月30日 PM12:00

頭頸部がんに直接投与で高い治療効果が期待される

千葉大学医学部附属病院は6月29日、iPS細胞由来のNKT細胞「iPS-」をヒトに投与する、世界初の治療法を医師主導治験として行うことを発表した。これは、同病院と理化学研究所が連携して実施される。


画像はリリースより

同病院では、頭頸部がんの新たな治療法として、がんに対して強い攻撃力を持つ免疫細胞「NKT細胞」を用いた治療法の開発を進めてきた。NKT細胞は、リンパ球の一種で、がんに対して強い攻撃力を持つが、ヒトの血液中にわずかしか存在せず(0.01%程度)、個人差も大きく、実用化へのハードルが高かった。今回の治験に用いるiPS-NKT細胞は、高機能を備えたままの細胞を増殖可能。頭頸部がんに直接投与することで高い治療効果と実用性が期待される。iPS-NKT細胞の作製は、理化学研究所で行われる。また、これまでに「iPS-NKT細胞」がヒトの血管内に直接投与されたことはない。

再発・進行頭頸部がん患者対象のP1試験

試験名は、「再発・進行頭頸部がん患者を対象としたiPS-NKT細胞動注療法に関する第1相試験」。これまでに「iPS-NKT細胞」がヒトの血管内に直接投与された経験はないことから、今回の治験では、人に対する「iPS-NKT細胞」の忍容性、安全性、有効性について評価することが目的となる。試験デザインは、単施設、非盲検、非対照、用量漸増試験。対象疾患は、標準治療後または標準治療の適応とならない再発・進行頭頸部がんで、対象被験者数は、4~18人(副作用の発現状況による)としている。

iPS-NKT細胞投与までの流れは、以下の通り。
1.治験への参加に関する説明を行い、同意を得る
2.治験への参加が可能か、検査等で確認(スクリーニング)
3.治療スケジュールを計画し、理化学研究所に「iPS-NKT細胞」の製造を依頼
4.投与方法を検討し、必要に応じて予め局所麻酔での投与経路作成手術を行う
5.理化学研究所で製造されたiPS-NKT細胞を腫瘍栄養動脈内にカテーテルを用いて到達させて投与

治験で忍容性、安全性、有効性が確認されれば、頭頸部がんと闘っている患者にとって大きな希望となる。「iPS-NKT細胞は、NKT細胞の抗腫瘍効果を担がん状態でも最大限発揮できるように開発されたiPS細胞由来のNKT細胞。本治験の主目的は安全性の確認であるが、有効性についても期待を持って臨みたい」と、治験担当医は述べている。

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