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「自宅での遺伝子検査」が心理的負担を軽減?HBOCのスクリーニングに役立つか

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2020年06月15日 PM04:00

自宅でできる乳がんや卵巣がんの遺伝子検査は有用

自宅で安全かつ効果的に実施できる検査のリストに、乳がんと卵巣がんの遺伝子スクリーニングが新たに加わるかもしれない。乳がんや卵巣がんのリスク上昇に関連する遺伝子の検査を自宅で行う際、通常は検査前および/または検査後に行われる遺伝カウンセリングを受けなくても、検査を受ける女性の心理的苦痛は増加しないことが、米ワシントン大学婦人科腫瘍学のElizabeth Swisher氏らの研究で示された。この研究結果は、米国臨床腫瘍学会のバーチャルミーティング(ASCO 2020、5月29~31日)で発表された。


画像提供HealthDay

BRCA1やBRCA2などの遺伝子に見られる変異は、乳がんや卵巣がんの発症リスク増加に関連することが知られている。こうした遺伝子変異の有無は遺伝子検査で確認できるが、検査を受ける際には通常、検査前に遺伝カウンセリングを受ける必要があり、検査後にも再びカウンセリングを受けて検査結果を聞くことが多い。こうした中、自宅でのBRCA遺伝子検査を提供するサービスも数多く登場しているが、その全てがカウンセリングまで提供しているわけではない。

今回の研究は、米国内50州の医療機関で登録された3,822人の女性(平均年齢44歳、88%が白人)を対象に実施された。いずれの対象者も乳がんまたは卵巣がんの家族歴があるか、遺伝子変異のある家族がいることが確認されていた。また、対象者は、検査に先立ってがんリスクの検査に関する教育ビデオを視聴した。Swisher氏らは対象者を、検査の前と後にそれぞれカウンセリングを受ける群、検査前または検査後のどちらかのカウンセリングをスキップする群、両方のカウンセリングをスキップする群の4群に分けた。遺伝子検査は、採取した唾液を用いて、乳がんや卵巣がんに関連する19個の遺伝子変異の有無について行われた。

その結果、対象者の7.2%(173人)に乳がんまたは卵巣がんに関連する遺伝子変異のあることが判明した。検査から3カ月後に強い心理的苦痛を抱えていた女性の割合は18%(318人)で、苦痛の程度は遺伝子検査前後の両方のカウンセリングをスキップした群で最も低かったが、苦痛を抱えている人の割合に有意な群間差は認められなかった。また、不安や抑うつ、遺伝子検査を受けたことに対する後悔の念に関しても、カウンセリングを受けているか否かで程度の違いは認められなかった。

Swisher氏によると、こうした遺伝子検査サービスは250ドル(約2万7,000円)前後で提供されており、加入している保険によってはさらに安価な料金で利用できる。ただし、「治療などに関わる意思決定のための情報を求めているのであれば、いい加減な内容の遺伝子検査もあるので、遊び半分で検査を受けるべきではない」と同氏は強調し、「自分のがん発症リスクを調べたい人にとっては、遺伝子検査は考慮すべきものの一つだといえる。ただし、少なくとも自分の親など親族のがんの家族歴について確認しておくべきだ。例えば、若いうちにがんと診断されたことのある親族がいる場合など、遺伝リスクを示唆する特定のパターンがあることが分かっている」と述べている。

一方、(ACS)のチーフ・メディカル/サイエンティフィック・オフィサーを務めるWilliam Cance氏は「できるだけ多くの人たちにスクリーニングを受けてもらうには、自宅でできる検査は極めて有用だ。時間の節約になるだけでなく、移動も不要で費用の負担も軽減される」と話す。さらに、「遺伝カウンセラーが不足する中、自宅で検査を受け、自分に変異がないことを知って早く安心できるというメリットもある」としている。ただし、検査で陽性であることが分かった女性は、必ずカウンセリングを受けるべきだとの見解も示している。

なお、学会発表された研究は通常、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2020年6月3日)

▼外部リンク
A national randomized four-arm noninferiority trial evaluating pre- and post-test genetic counseling during online testing for breast and ovarian cancer genetic risk

HealthDay
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