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現状レベルの温室効果ガス排出量継続で影響が及ぶヒトのある機能とは?

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2020年05月11日 PM03:30

屋内のCO2濃度上昇で認知機能が低下する?

温室効果ガスである二酸化炭素()の排出量の増加は、地球温暖化の原因となるだけでなく、認知機能にも悪影響を与える可能性があることが、米コロラド大学ボルダー校准教授のKris Karnauskas氏らの研究で示唆された。同氏らは「大気中のCO2濃度が上昇すると屋内のCO2濃度も高まる。2100年までに、屋内のCO2濃度は、意思決定能力や思考力に悪影響を与えるレベルにまで上昇すると推定される」と述べている。研究結果の詳細は「GeoHealth」4月20日オンライン版に掲載された。


画像提供HealthDay

これまで、温室効果ガスが人類に与える悪影響は地球温暖化を介するものと考えられてきた。しかし、最近の研究では、屋内のCO2濃度が認知機能に直接影響を与える可能性が示唆されている。Karnauskas氏らは今回、これらの関連に着目。温室効果ガスの排出が現状レベルで継続した場合に、屋内のCO2濃度が認知機能に与える影響について調べた。

その結果、今世紀末までに、屋内のCO2濃度は1,400ppmに達する可能性があることが分かった。これは現在の屋外でのCO2濃度の3倍以上に相当する。「人類がこれまで経験したことのないCO2濃度であり、認知機能に有害な影響を与えるレベルだ」とKarnauskas氏らは警告している。

また、Karnauskas氏は「密閉空間ではCO2濃度は驚くほど高まる」と指摘。「このことは、学校の教室に密集する子供たちから会社員、研究者、政策決定者、そして自宅で過ごす一般の人々まで、すべての人々に影響を与える」と付け加えている。

論文の共著者で同大学工学部教授のShelly Miller氏によれば、屋内のCO2濃度は換気をすることで調整できる。しかし、屋内の人数が多すぎてCO2濃度を下げるのに十分な空気を取り込めない場所や、寝室のように長時間にわたり十分な換気ができない場所ではCO2濃度は上昇する。高濃度のCO2に曝露すると、CO2の血中濃度が上昇し、脳に行き届く酸素の量が減少する。その結果、眠気や不安感が増し、認知機能が低下することが、これまでの研究で報告されているという。

Karnauskas氏は「換気の悪い屋内で長時間過ごした時に、眠気に襲われたり、頭が働かなくなったりした経験は誰でもあるはずだ」と強調。その上で、「屋内のCO2濃度が上昇した場合の対応策はいくつか考えられるが、CO2濃度が危険なレベルにまで達するのを防ぐ最善の方法は、化石燃料の排出量を減らすことだ」と話している。(HealthDay News 2020年4月23日)

▼外部リンク
Fossil fuel combustion is driving indoor CO2 toward levels harmful to human cognition

HealthDay
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