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膀胱がんやIBSなど疾患の兆候が、施設検査でなく「トイレ」情報からわかる?

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2020年04月30日 PM04:00

「スマート・」で健康管理する時代も近い?

近い将来、トイレで得られる情報で健康管理する時代が来るかもしれない――。便や尿を分析するシステムを備え、排泄物から健康状態を追跡する「スマート・トイレ」の実用化が近づいていることが、米スタンフォード大学のSeung-min Park氏らの研究から明らかになった。研究結果の詳細は「Nature Biomedical Engineering」4月6日オンライン版に掲載された。


画像提供HealthDay

Park氏らが開発中のスマート・トイレには、小型カメラとモーションセンサー、尿検査試験紙が備えられ、尿の成分や尿流量率、便の形状や硬さを分析する。分析データは医師に送信され、医師は送られてきたデータに基づいて、使用者の健康状態を把握することができる。尿流量率からは男性の前立腺の健康状態が、便の形状や硬さからは過敏性腸症候群(IBS)などの腸疾患の有無が分かる。さらに、尿検査データからは感染症や膀胱がん、、糖尿病などの疾患の兆候の有無を調べることができるという。

Park氏は「排泄物から検出できる範囲で、その人の健康状態をできるだけ幅広く監視しようと試みている」と述べている。一方、この研究には関与していない、米クリーブランド・クリニックの病理・臨床検査医学研究所の所長を務めるBrian Rubin氏は、「現実離れしたアイデアだと感じる人もいるかもしれないが、排泄物から得られる情報は、医師や患者にとって有益なものとなるだろう」と話し、スマート・トイレの開発に大きな期待を寄せている。

Park氏らは今回、21人のボランティアに数カ月間にわたってスマート・トイレを使用してもらった。また、300人の見込みユーザーを対象とした調査を実施。最も他人に知られたくない排泄物をトイレで分析するというアイデアに、回答者の半数以上が「違和感はない」と回答していたことが分かった。

また、健康管理には、その人自身の情報をしっかり追跡することが重要となる。そのため、このスマート・トイレには、トイレの使用者を正確に特定する手段がいくつか用意されているという。「水を流すレバーには指紋認証システムを搭載したほか、備え付けの小型カメラで肛門をスキャンし、そのしわの形で個人を識別することもできる」とPark氏は説明している。

論文の上席筆者で同大学放射線医学部長のSanjiv Sam Gambhir氏によれば、肛門のしわは、指紋のように人によって形が異なるという。同氏は「指紋のデータや肛門の画像は、データの持ち主を識別するためにのみ使用され、本人や医師に限らず、誰も見ることはできないようになっている」と付け加えている。なお、研究グループはトイレメーカーと連携し、1~2年以内のスマート・トイレの商品化を目指している。(HealthDay News 2020年4月17日)

▼外部リンク
A mountable toilet system for personalized health monitoring via the analysis of excreta

HealthDay
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