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低コストで簡便な新型コロナ検査法を開発、CRISPR遺伝子編集技術を応用

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2020年04月27日 PM03:00

45分で診断可能なCOVID-19迅速検査法を開発

新型コロナウイルス感染症()を、鼻咽頭ぬぐい液を用いて約45分で診断できる低コストの迅速検査法を開発したと、米カリフォルニア大学サンフランシスコ校()臨床検査医学教授のCharles Chiu氏らが「Nature Biotechnology」4月16日オンライン版に発表した。


画像提供HealthDay

DETECTR」と名付けられた新しい検査法は、新型コロナウイルス()の検出にCRISPR遺伝子編集技術を初めて用いたもの。CRISPRは、任意の遺伝子配列を標的とするようにプログラミングできる。Chiu氏らは今回、SARS-CoV-2のゲノム中にある2つの遺伝子配列に狙いを定めた。

配列の一方は、コロナウイルスに共通するもので、もう一方はSARS-CoV-2に固有のもの。これら2つの配列を同時に調べることで、SARS-CoV-2を、重症急性呼吸器症候群(SARS)の原因ウイルスのような他のコロナウイルスから区別できると、Chiu氏らは説明している。

「SARS-CoV-2 DETECTR」は、他の検査法と同様に、患者から採取した鼻咽頭ぬぐい液中のSARS-CoV-2を検出する。Chiu氏らによれば、この新しい検査法は特殊な装置を必要としないため、COVID-19の感染拡大が続く米国において検査不足の解消に役立つ可能性があるという。

また、従来のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)検査は、結果が出るまで通常、約4時間かかるが、この新しい検査法では検査時間を約45分にまで短縮できる。その上、市販の妊娠検査薬のように、試験紙に濃い線が現れれば陽性の判定ができるという簡便性も併せ持つ。さらに、PCR検査は判定に特殊な機器を必要とするため、設備が整った検査施設でしか行えないが、新しい検査法には一般的な試薬と機器が使えるため、どんな施設でも、迅速かつ低コストで検査が行えるというメリットもある。

この検査法は、まだ米食品医薬品局(FDA)の承認を受けていないが、既にファストトラック(優先承認審査制度)指定に向けた臨床評価が進められている。Chiu氏は「CRISPR技術の導入と活用が進めば、次世代型のCOVID-19診断検査法の普及が加速するだろう」と期待を述べている。

一方、「SARS-CoV-2 DETECTR」は、PCR検査と比べて感度がやや低いという課題がある。ただ、Chiu氏らによれば、感染した患者は一般にウイルス量が多いため、感度の差が診断に大きく影響する可能性は低いと見ている。なお、同氏らは、FDAに承認を働きかけるとともに、空港や学校、小規模な診療所など、街中での検査として使用できるように調整を進めているという。(HealthDay News 2020年4月16日)

▼外部リンク
CRISPR–Cas12-based detection of SARS-CoV-2

HealthDay
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