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ムコ多糖症患者調査、発症から確定診断まで平均1年以上要していると明らかに-サノフィ

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2020年04月16日 PM12:15

発症頻度2~5万人に1人のまれな先天代謝異常症、医師の認知率も低く

サノフィ株式会社は4月14日、希少疾患であるムコ多糖症(I型もしくはII型)の診断を受けている患者の母親または父親を対象に、アンケート(回答者39人)およびインタビュー(回答者6人)による調査を実施し、その結果を発表した。同調査は、(MPS)患者と家族の、同疾患に関するこれまでの行動・心理について確認することを目的とし、2019年11月19日~12月20日に実施された。

MPSは、(ムコ多糖)という成分を体の中で分解する「ライソゾーム酵素」の働きが弱い、あるいは同酵素がないために、グリコサミノグリカンが分解できずに体にたまることで、全身にさまざまな症状が現れる先天代謝異常症。多くは0~3歳に発症し、広範な蒙古斑や頻繁な中耳炎、へそ・鼠経ヘルニア、関節の拘縮など、症状は患者個々によってさまざまだ。発症頻度は2~5万人に1人と非常にまれで、一般生活者だけでなく医師の認知率も低いのが現状である。症状には、骨異形成や心臓弁膜症など不可逆的なものもみられるため、早期に診断し、治療を開始することが、患者の予後にとって非常に重要だ。

約8割の患者、確定診断を受けるまでに2施設以上を受診


画像はリリースより

今回のアンケート調査の結果、最初にムコ多糖症の症状が現れたときの年齢は、0歳が31%と最も多く、平均年齢は2.1歳。一方、確定診断時の平均年齢は3.2歳で、発症から確定診断までに平均1年以上の遅れがみられた。また、約8割の患者が、確定診断を受けるまでに2施設以上を受診しており、「受診しても「もう少し様子を見ましょう」と、大きな病院を紹介してもらえなかった」「どこかおかしいと思いながらも、適切な診療科がわからなかった」など、確定診断に至るまでの両親の悩みが浮き彫りとなった。

ムコ多糖症の確定診断を受けて、計82%の両親が「不安になった」が、治療前後の気持ちの変化としては、計90%が「前向きになった」と回答し、治療への期待が示された。

両親の困りごと「治療をしながらどう暮らしていくか」など

続いて、ムコ多糖症によって、両親の80%が日常生活に制限を感じていることが判明。具体的には、「遠出ができない」など症状による活動の制限や、通院のための時間の制限が挙げられた。また、59%の両親が「周囲の人との間で困ったことがある」と回答。具体的な困りごととしては、治療のための欠席・欠勤等に対する理解が得られない事や、症状に起因するものが挙げられた。

両親の主なニーズや困りごととしては、「治療をしながらどう暮らしていくか」「きょうだい児のケア」などが挙げられたという。

ムコ多糖症チェックリストを公開、早期診断へ

インタビュー調査からは、治療中の両親の想いとして「できればもっと早く診断・治療を受けたかった」「症状をまとめて提示できるチェックリストがあれば、もっと早く気づいてもらえたかもしれない」といった声が挙がったという。ムコ多糖症における課題として、疾患の認知向上や、早期診断につなげるための仕組みづくりの重要性が改めて示唆された。

今回の調査結果を受け、同社は、早期診断の促進を目的に、国立成育医療研究センター臨床検査部統括部長/ライソゾーム病センターセンター長の奥山虎之氏の監修のもと、ムコ多糖症の疑いを確認し、医師に提示できるチェックリストを新たに作成した。リストは、プレスリリースおよび同社の疾患啓発サイト「ライソライフ」で閲覧できる。

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