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新型コロナの入院/致死率は50代以上で有意に高値に-中国の患者データ解析から

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2020年04月09日 PM05:00

高齢になるほどCOVID-19は重症化しやすい

新型コロナウイルス感染症()による重症化リスクや死亡リスクは、高齢になるほど高まるとする研究結果を、英インペリアル・カレッジ・ロンドン(ICL)のNeil Ferguson氏らが「The Lancet Infectious Diseases」3月30日オンライン版に発表した。中国本土における4万4,000人以上の感染例のデータに基づくこの解析から、COVID-19症例の入院率は20歳代では約1%だが、50歳代では8.2%となり、80歳以上では18.4%に達することが示された。また、同症例の致死率は、20歳代の0.03%に対して80歳以上では7.8%と推定されたという。


画像提供HealthDay

今回のパンデミック発生当初、世界保健機関(WHO)はCOVID-19症例の致死率は3.4%であると発表していた。しかし、Ferguson氏らによれば、この推計値は、症状が重く治療が必要と診断された症例のみに基づくもので、軽症や無症状の感染者や検査を受けていない症例は含まれていないという。

そこで、Ferguson氏らは今回、広範な対象で検査が行われたクルーズ船での集団感染者や武漢からの帰国者のデータを解析し、その結果をより幅広い人口に当てはめた。また、中国本土における4万4,672人の診断確定例の死亡統計を調べた。

その結果、年代別の入院率は10歳未満が0%、10歳代が0.04%、20歳代が1%、30歳代が3.4%、40歳代が4.3%、50歳代が8.2%、60歳代が11.8%、70歳代が16.6%、80歳以上が18.4%と年齢が高まるに伴い上昇した。乳児や幼児は、COVID-19による重症化リスクや死亡リスクは極めて低かった。

また、年代別の致死率は20歳未満が0.01%以下、20歳代が0.03%、30歳代が0.08%、40歳代が0.16%、50歳代が0.59%、60歳代が1.9%、70歳代が4.3%、80歳代が7.8%であり、高齢になるほど高くなっていた。COVID-19症例全体の致死率は、当初WHOが報告した推定値を大幅に下回り、1.38%であるとFerguson氏らは報告。また、主に軽症または無症状の未診断例を含めると、致死率は0.66%まで下がるともした。ただし、「2009年に世界的に流行した新型インフルエンザの致死率(0.02%)と比べると、はるかに高い」と同氏らは指摘している。

論文の共著者であるICLのAzra Ghani氏は、「これらの解析結果は、COVID-19の効果的な封じ込め戦略を立てる上で、あらゆる国にとって有用な情報となる」と話す。また、「多くのメディアは若者の死を大きく取り上げるかもしれないが、高齢者が最も危険にさらされている」と指摘。「われわれの分析によると、50歳以上の患者の入院率と致死率は若年者に比べて大幅に高い」と説明している。

なお、Ferguson氏らは今後もCOVID-19の感染拡大は続き、パンデミックが終息するまでに世界人口の50~80%に感染が広がる可能性を指摘している。(HealthDay News 2020年3月30日)

▼外部リンク
Estimates of the severity of coronavirus disease 2019: a model-based analysis

HealthDay
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