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妊娠中の魚の摂取、適切な量と頻度ならメリットの方が大きい?

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2020年04月03日 PM02:00

妊娠中の魚の適量摂取は胎児に有益

妊娠中の魚の摂取に関しては、一貫した見解が得られていない。魚に含まれているオメガ3脂肪酸は、胎児の発達に重要な役割を果たすが、その一方で、メカジキ、サメ、サバなど一部の魚は水銀含有量が高く、神経障害が引き起こされる可能性が懸念されているからだ。しかし、このほど、米南カリフォルニア大学(USC)ケック医学校予防医学准教授のLeda Chatzi氏らが実施した新たな研究で、妊娠中に適度に魚を食べることのベネフィットはリスクを上回ることが示唆された。研究結果の詳細は「JAMA Network Open」3月16日オンライン版に掲載された。


画像提供HealthDay

この研究は、胎児期および小児期の多様な環境因子への曝露が及ぼす影響を検討した前向きコホート研究「HELIX(Human Early-Life Exposome)study」の一部として実施された。対象者は、ヨーロッパ5カ国(フランス、ギリシャ、ノルウェー、スペイン、イギリス)の母子805組。Chatzi氏らは、食物摂取頻度調査票を用いて、妊娠中の母親の1週間当たりの魚の摂取量を評価するとともに、全血および臍帯血中の水銀濃度を調べた。また、小児に対しては、6~12歳のときに、腹囲、血圧、コレステロール値、インスリン値などを測定し、メタボリックシンドロームスコアを算出した。

その結果、母親が妊娠中に週1~3回魚を摂取していた小児では、母親の魚の摂取頻度が週1回未満であった小児に比べ、メタボリックシンドロームスコアが低く、代謝の健康状態が良好なことが分かった。しかし、母親の魚の摂取頻度が週3回を超えると、このベネフィットは減少した。また、血液中の水銀濃度が高い母親の子どもは、メタボリックシンドロームスコアが高いことも明らかになった。

この結果についてChatzi氏は、「魚は重要な栄養源であり、摂取を避けるべきではない。しかし、魚は水銀をはじめとする残留性有機物質に汚染されている可能性があるため、妊娠中の女性は、FDAなどが推奨する通り、週1~3サービング(サービングは、1回分として食べる標準的な量)の摂取量を守ってほしい」と助言している。

研究論文の筆頭著者であるNikos Stratakis氏は、「魚は危険な化学汚染物質への日常的な曝露経路となり得る」と指摘。「週3回を超えて魚を食べると、汚染物質への曝露による有害作用が、魚の摂取により得られた有益効果を打ち消してしまう可能性がある」と説明している。

研究グループは今後、栄養素や水銀の濃度が異なるさまざまな種類の魚の摂取が及ぼす影響について調べる予定であり、今回の研究で対象とした小児が14~15歳になるまで追跡調査を続けるとしている。(HealthDay News 2020年3月20日)

▼外部リンク
Association of Fish Consumption and Mercury Exposure During Pregnancy With Metabolic Health and Inflammatory Biomarkers in Children

HealthDay
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