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バクスミー点鼻粉末剤、低血糖時の救急処置で承認-リリー

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2020年03月30日 AM10:45

注射剤以外の低血糖治療薬としては初のグルカゴン点鼻粉末剤

日本イーライリリー株式会社は3月25日、低血糖時の救急治療薬「バクスミー(R)点鼻粉末剤3mg」(一般名:)について、厚生労働省より「低血糖時の救急処置」を適応として製造販売承認を取得したと発表した。


画像はリリースより

バクスミーは、注射剤以外の低血糖治療薬としては初の選択肢であるグルカゴン点鼻粉末剤。室温(1~30℃)で持ち運びができる1回使い切りの製剤で、看護者(家族等)が投与することで重症低血糖の救急処置を行うことができる。

重症低血糖は、主にインスリン治療中の糖尿病患者が陥りやすく、回復に他者の援助が必要となる。バクスミーは鼻粘膜から吸収されるため、重症低血糖に陥り意識を失っている患者に対しても使用可能。また、薬剤は点鼻容器に充填されており、調製作業が不要なため緊急時に迅速に使用できる。

インスリン誘導による低血糖が30分以内に100%回復、グルカゴン注射剤への非劣性を示す

バクスミーの有効性および安全性は、成人1型糖尿病および2型糖尿病患者72例(1型33例、2型39例)を対象とした国内第3相無作為化2剤2期クロスオーバー試験で検証された。バクスミー3mg経鼻投与とグルカゴン注射剤1mg筋肉内投与を比較した結果、インスリン誘導による低血糖がいずれの群においても30分以内に100%回復し、非劣性が示された。また、回復までの平均時間は、それぞれ12.0分および11.0分だった。さらに、同試験における副作用発現割合はバクスミー16.9%、グルカゴン注射剤12.9%であり、忍容性が確認された。

低血糖とは、血糖値が正常範囲以下まで下がった状態のことで、冷や汗、動悸、意識障害、けいれん、手足の震えなどの症状が現れる。症状が起きた際に、正しく対処することで回復するが、急に血糖値が低下して対処が間に合わない場合や、自覚症状なしに血糖値の低下が進行する場合などは、自己のみでは対処できない重症低血糖に陥ることがある。重症低血糖に陥った場合、大脳機能が低下して昏睡やけいれん、不可逆性の脳障害等を起こす可能性がある。

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