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「あの飲み物」が、中高年以上の足の痛み改善に効果的?

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2020年02月27日 PM04:00

ココア飲料で末梢動脈疾患の痛みが和らぐ?

ココア飲料を飲むと、(PAD)患者の歩行時の痛みが和らぐかもしれない――。そんな研究結果を、米ノースウェスタン大学ファインバーグ医学部内科・予防医学教授のMary McDermott氏らが「Circulation Research」2月14日オンライン版に発表した。ただ、44人の患者を対象とした小規模な研究であるため、同氏らは「研究結果は、今後さらなる研究で検証を重ねる必要がある」としている。


画像提供HealthDay

PADは、足の血管が動脈硬化を起こして十分な血液が流れなくなる疾患で、足の痛みやしびれ、筋力の低下などを引き起こす。米国の患者数は、40歳以上で850万人に上るが、未診断のまま見過ごされている患者も多い。McDermott氏らは今回、カカオには、血流を改善し、骨格筋に好ましい影響を与えることが知られる「」が多く含まれている点に着目。PAD患者を対象に、ココア飲料の効果を調べる研究を実施した。

研究では、PAD患者44人を対象に、ココアとエピカテキン(フラバノール)を含んだココア飲料とプラセボ飲料のいずれかを、6カ月間にわたり1日に3回飲んでもらった。参加した患者の平均年齢は72.3歳であった。

その結果、ココア飲料を飲んだ群では、ふくらはぎへの血流が20%改善し、筋肉の状態や機能も改善した。また、6分間の歩行検査では、より長い距離を歩けるようになったことも分かった。McDermott氏は、ココア飲料を飲んだ群で見られた改善効果は、専門家の指導下で行うトレッドミルを用いた運動療法の効果と同程度だったとしている。

McDermott氏は「誰もが試せる安価で安全な栄養の摂取で、PAD患者の歩行能力を改善できる可能性がある。PADの有効な治療法は限られているため、今回の研究結果は重要だ」と述べている。

今回の研究では、無糖の天然ココアパウダーを使用した。この種のココアパウダーはエピカテキンが豊富で、特にカカオ成分が85%以上のダークチョコレートに多く含まれている。しかし、酸味と渋みを改善するアルカリ処理をすると一部のフラバノールは除去されてしまう。そのため、McDermott氏は「一般のチョコレート製品では難しいが、アルカリ処理をしていないダークチョコレートであれば同じ効果が期待できるかもしれない」と述べている。

フラバノールはフラボノイドの一種。米国心臓協会(AHA)のスポークスパーソンであるNieca Goldberg氏は「フラボノイドには血管を弛緩させる作用がある。フラボノイドを含む食品には、緑色野菜やベリー類、リンゴ、お茶などさまざまなものがあり、ダークチョコレートにも末梢血管を拡張し、血圧を下げる作用がある」と説明している。一方で、過体重や糖尿病はPADのリスク因子であるため、「PAD患者にとってはカロリーを抑えるほうがより重要だ」として、これらの食品の食べ過ぎには気をつけるよう助言している。

 なお、今回の研究は、米国立衛生研究所(NIH)傘下の米国立加齢研究所(NIA)の助成を受けて実施された。また、Hershey社がココア飲料とプラセボの飲料を提供し、さらに、Mars社が参加者の血中フラバノール濃度などの測定で協力した。(HealthDay News 2020年2月14日)

▼外部リンク
Cocoa to Improve Walking Performance in Older People With Peripheral Artery Disease: The Cocoa-Pad Pilot Randomized Clinical Trial

HealthDay
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