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女児の乳房の発達、約50年前と比較して変わったことは?

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2020年02月20日 PM04:00

女児が思春期を迎える年齢の低年齢化が進む

乳房の発育に関する世界各国のデータによると、1970年代の女児と比べて現代の女児は、思春期を迎えるのが1年ほど早いという。女児では乳房の発育が思春期の始まりとされるが、今回、コペンハーゲン大学病院(デンマーク)のAlexander Busch氏らが30件の研究データを統合して解析した結果、乳房の発育が見られる年齢が、1977~2013年にかけて、10年当たり平均3カ月ずつ低下していたことが分かった。この研究の詳細は「JAMA Pediatrics」2月10日オンライン版に発表された。


画像提供HealthDay

Busch氏は「早期の乳房発育が女性の生涯にわたる健康に与える影響に関する研究は多くはない」と話し、女児の思春期開始年齢が低年齢化しつつあることに、どのような医学的意義があるのかは不明だとしている。ただし、思春期に現れる最後の体の変化である月経の早期の発現は、肥満や2型糖尿病、心疾患、アレルギー性疾患のリスク上昇に関連することが示されているという。

Busch氏らは、2019年6月までに公表された、乳房の発育を指標に思春期の開始年齢を調べた医学論文3,602件の中から、基準を満たした30件の論文を抽出し、それらの研究データを統合して解析した。その結果、乳房の発育が始まる年齢は過去40年にわたって、10年ごとに0.24年(約3カ月)のペースで低下していることが明らかになった。早期の乳房発育が見られる平均年齢は、欧州で10~11歳、中東で10歳、アジアで9~11歳、米国で9~10歳、アフリカで10~13歳であった。

Busch氏らは、このような傾向が見られる理由は明らかではないとした上で、「月経の始まりや早期の乳腺発達に関連する高BMIが関与している可能性はある」としている。Busch氏の説明によると、脂肪組織はホルモンの産生と代謝の両面で重要な役割を果たしているため、高BMIは思春期の早発を引き起こし得るのだという。

しかし、Busch氏は「過体重だけではこのような劇的な変化を説明することはできない」として、「環境中の内分泌かく乱化学物質が思春期の開始年齢に影響を与えている可能性がある。DDTやDDEといった化学物質が思春期の早期発来に関連していることは、複数の研究で報告されている」と指摘している。

今回のBusch氏らの報告について、この研究には関与していない米マウントサイナイ・アイカーン医科大学のRobert Rapaport氏は「興味深い研究結果ではあるが、骨の発育や初潮といった他の思春期の兆候にも変化が認められたのであれば、結果の重要性はさらに増しただろう」と話す。また、乳房の発育が早いことが、その後の健康リスクと関連する可能性があるかどうかについてはBusch氏と同様、「現時点では十分な検討がされていないため判断が難しい」と話している。
(HealthDay News 2020年2月10日)

▼外部リンク
Worldwide Secular Trends in Age at Pubertal Onset Assessed by Breast Development Among Girls

HealthDay
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