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リスやコウモリのある生態、ヒトの肥満と関係?

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2019年12月12日 PM03:00

冬眠動物が肥満・代謝性疾患解決のヒントに

冬眠する動物の遺伝子を調べることが、ヒトの肥満メカニズムの解明につながる可能性を示唆する報告が「Cell Report」11月26日オンライン版に掲載された。米ユタ大学のChristopher Gregg氏らが、世界各地に生息している冬眠する動物の遺伝子を解析した結果から、ヒトの肥満との関連が認められたという。


画像提供HealthDay

冬眠をする動物は、ヒトにとっては不健康な量の食糧を冬眠前に摂取する。しかし、それらの動物が冬眠から目覚めたときは、再び冬眠前と同じように健康な状態を維持している。研究グループでは、このような現象を遺伝学的に研究することで、肥満や代謝性疾患の新たな理解につながる可能性に着目している。

Gregg氏によると、「冬眠する動物は、代謝のコントロール能力を驚異的に進化させてきた。代謝異常は肥満、、アルツハイマー病などの多くの疾患リスクに影響を与える。冬眠する動物のゲノムを知ることが、これら主要疾患のリスクをコントロールする上で役立つと考えられる」という。

研究対象としたのは、リス、コウモリ、キツネザル、ヒメハリテンレックという4種の哺乳類。検討の結果、これらの動物には独立して進化した遺伝子領域があり、その多くがヒトの肥満に関連する遺伝子の近くに位置することが判明した。これらの発見から、冬眠する動物は肥満遺伝子の活性をコントロールする特定の遺伝因子のスイッチをオフにするように進化したことが示唆されるという。

続いてヒトにおいて異常な過食と病的肥満を引き起こすプラダー・ウィリ症候群という遺伝性疾患の遺伝子を調べたところ、冬眠する動物の冬眠関連領域の遺伝子と関連が見られることが判明した。

Gregg氏は、今回の研究においてさらに注目すべきこととして「このような重要なゲノム部位が、ゲノム全体の98%に及ぶ“ジャンクDNA”と呼ばれ、何らかの機能を果たしているとは考えられていない部分に隠れていたことだ」と述べている。

またGregg氏と同じ研究室で働く共著者のElliot Ferris氏は、「この研究で、冬眠する動物において進化してきた遺伝子領域が、数十万人を対象とした研究で判明したヒトの肥満および肥満関連代謝性疾患に関わる遺伝子に近い領域に多く存在することが示された」と語っている。

さらに「ヒトと冬眠する動物のデータを統合することによって、哺乳類の肥満を制御するマスターコントロール遺伝子の候補を明らかにすることができた」とGregg氏は付け加えている。(HealthDay News 2019年11月26日)

▼外部リンク
Hibernating Animals Give Clues to Obesity in Humans

HealthDay
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