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脳のfMRIから判明。オーバートレーニングがもたらす悪影響とは

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2019年10月07日 PM05:00

運動のしすぎが判断力を鈍らせる?

運動をしすぎると脳の疲労を招き、物事の判断力が鈍る可能性があることが、ピティエ・サルペトリエール病院()のMathias Pessiglione氏らの研究で示された。持久力を必要とする持久的スポーツにはさまざまな健康へのメリットがあるが、過度のトレーニングで負荷がかかると脳に悪影響が及ぶ可能性があるという。この研究結果は「Current Biology」9月26日オンライン版に発表された。


画像提供HealthDay

Pessiglione氏らは今回、持久的スポーツの男性アスリート37人(平均年齢は約35歳)を対象に、3週間にわたって通常のトレーニングを行う群(18人)と1回当たりのトレーニング負荷を40%増やして行う群(19人)に割り付けて観察した。

その結果、機能的MRI()による画像検査から、トレーニング負荷を増やし、疲れ果てるまで自分を追い込んで運動した群では、物事を判断する際に重要な役割を果たす脳領域の「外側前頭前皮質」の活性が低下していることが分かった。また、金銭的な意思決定能力を評価したところ、運動負荷を増やした群では、時間がたてば獲得できる大きな報酬よりも、即座に得られる目先の報酬を獲得しようとする確率が高く、より衝動的な行動がみられた。

Pessiglione氏は「この研究結果は、物事を判断するには脳神経の状態が重要であるという事実に目を向けさせるものだ。つまり、脳が疲労した状態である時には、いつも通りの判断はできないことを意味する」と述べている。

Pessiglione氏らの研究チームは、以前の研究で、脳を過度に働かせると外側前頭前皮質が影響を受けやすいことを明らかにしていた。同氏は「今回の研究から、過度のスポーツトレーニングが影響するのも同じ脳領域であることが分かった」と説明。また「外側前頭前皮質は、情報処理や行動を制御する認知的コントロール(cognitive control)能力における弱点であることも示された」としている。

今回の研究は、脳を働かせる時だけでなく、身体を動かす時も認知的コントロールが必要であることを示唆している。「スポーツに限らず、政治や法律、金融といったさまざまな分野で間違った判断をしないためには、疲労の程度を見極めることが重要かもしれない」とPessiglione氏らは話している。(HealthDay News 2019年9月26日)

▼外部リンク
Extreme Exercise Might Dull the Brain, Study Says

HealthDay
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