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人の肌が守られる代わりに、海の生態系が脅かされるワケ

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2019年08月28日 PM05:00

サンゴに優しい日焼け止めは安全か?

サンゴ礁などの海洋生物に有害な紫外線吸収剤を含まない「サンゴに優しい」日焼け止めであっても、海洋生態系に無害とは言えないことが、カンタブリア大学(スペイン)のAraceli Rodríguez-Romero氏らの研究で示された。同氏らの研究でも、日焼け止め製品に微量に含まれる化学物質が海洋生態系に与える影響は不明のままだという。研究結果の詳細は「Environmental Science & Technology」8月14日オンライン版に掲載された。


画像提供HealthDay

日焼け止めに含まれる紫外線カット成分は、サンゴ礁などの海洋生物に有害な影響を与えるとして危惧されている。そこで、近年では、紫外線吸収剤のオキシベンゾンやオクチノキサートを含まない「サンゴに優しい」日焼け止め製品が販売されている。

Rodríguez-Romero氏らは今回、日焼け止めに含まれる微量金属や無機栄養素が海水中に放出される速さや、それによる沿岸水域における化学物質の濃度への影響について調べる研究を行った。研究チームは、まず、二酸化チタンを含む市販の日焼け止めを、地中海で採取した海水サンプルに添加し、さまざまな化学物質が水中に放出される様子を観察した。なお、二酸化チタンはオキシベンゾンやオクチノキサートの代用としてよく使われる化学物質だという。

その結果、紫外線照射条件下では、一部の化学物質はより速く水中に放出されることが分かった。特に、アルミニウムとシリカ(二酸化ケイ素)、亜リン酸は、明暗条件のいずれにおいても水中への放出率が最も高かった。

次に、研究チームはこれらの試験データを用いて、さまざまな条件下で、日焼け止めから放出される微量金属と無機栄養素を予測するモデルを作成した。その結果、このモデルに基づくと、ビーチの夏の日には、海水浴客の身体から落ちた日焼け止めによって、沿岸水域のアルミニウム濃度は4%、チタン濃度は20%近く増加すると推定されたという。

このような微量金属や無機栄養素は通常、海水中にはごく微量にしか存在しない。Rodríguez-Romero氏らはニュースリリースの中で、「これらの化学物質が海洋生態系に与える影響を明らかにするには、さらに研究を重ねる必要がある」と述べている。

(HealthDay News 2019年8月15日)

▼外部リンク
Diving Deeper Into Sunscreen’s Impact on Marine Life

HealthDay
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