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医療費は重い負担…。そう感じている人はどのくらい?

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2019年08月21日 PM05:00

乳がん治療の選択に治療費が影響

たとえ十分な収入があり手厚い保険に加入していても、乳がん患者の手術方法に関する選択は治療費により左右される場合が多いことが、新たな研究で明らかにされた。研究論文の筆頭著者である米デュークがん研究所のRachel Greenup氏は「早期乳がんでは、有効性が同程度の手術に関して選択肢がいくつかあり、転帰も良好だ。しかし、外科医は患者と、治療の精神的および身体的な副作用についてはよく話しても、治療にかかる費用について話し合うことはめったにない」と指摘している。研究の詳細は、「Journal of Oncology Practice」7月29日オンライン版に掲載された。


画像提供HealthDay

研究では、ステージ0~3の乳がんの女性約600人(90%が白人)を対象に、88項目から成る電子調査を実施し、記述統計と回帰分析を用いて乳がん手術の選択に費用が与える影響および術後の経済負担について評価を行った。なお、対象者のうち、70%が民間の健康保険加入者、25%がメディケア加入者であり、78%が大学教育を受け、56%が年間所得7万4,000ドル(約785万円)以上であった。また、術式としては、43%が乳房温存手術、25%が乳房切除術、32%が両側乳房切除術、36%が乳房再建術を受けていた。

その結果、女性たちは平均的な米国人に比べ裕福であったが、43%が「治療方法を決める際に治療費を考慮した」と答え、28%が「手術方法の選択に治療費が影響した」と回答した。年間所得が4万5,000ドル(約477万円)未満の女性では、乳房やそのアピアランス(外見)の維持よりも治療費を重視していることも明らかになった。

また、「治療が経済的負担の原因となった」と回答した人は全体の35%、「がん治療チームと治療費について話し合ったことがない」と回答した人は78%に上った。最も所得が高い群でも、「がんの治療費に対する備えがなかった」と回答した人は65%を占めていた。さらに、乳房温存手術に比べると両側乳房切除術は、乳房再建の有無にかかわらず、高額な負債や財政的苦境などと有意に関連することも示された。

こうした結果を踏まえGreenup氏は「女性は、自分にとって最善の手術を選ぶ際に、乳房温存に関する希望、乳房再建に関する選択、回復期間、セクシュアリティ、アピアランス、今後の経過観察の必要性、精神的なやすらぎなど、さまざまな要素を比較検討している」と説明し、「手術方法の選択に伴う(精神的・身体的な)副作用については医師との話し合いが行われているが、自己負担額および労働生産性に及ぼす影響を含め、患者や家族にとっての経済的負担については明確な話し合いがなされていない。今回の研究により、この状況を変える必要があることが示された」と結論づけている。(HealthDay News 2019年8月2日)

▼外部リンク
Finances Affect Women’s Choice of Breast Cancer Treatment: Study

HealthDay
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