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ストレス下での持続的な筋緊張が、慢性的な痛みの発症につながると判明-名大

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2019年04月26日 PM01:15

/CFSやFMの痛み発症のメカニズムを明らかに

名古屋大学は4月22日、筋痛性脳脊髄炎/(ME/)や、(FM)でみられる異常な痛みの原因のひとつとして、通常では意識しない、固有(深部)感覚の持続的で過剰な興奮が、脊髄内の反射弓に沿ってミクログリアを活性化させ、これにより慢性的に痛みが生じていることを、モデル動物を用いた実験で明らかにしたと発表した。この研究は、同大大学院医学系研究科機能組織学分野の木山博資教授と愛知医科大学医学部の安井正佐也助教の研究グループが、九州大学大学院薬学研究院の井上和秀教授らと共同で行ったもの。研究成果は「Journal of Neuroinflammation」に掲載されている。


画像はリリースより

ME/CFSやFMは、身体に炎症や損傷などの明らかな原因がないにもかかわらず、異常な慢性的筋痛や、過度の疲労感が生じる原因不明の病気。そのため、多くの患者は痛みや強度の疲労感により、日常生活に困難を感じながら生活している。脳や脊髄の一部に炎症の痕跡が見られること、脳やホルモン分泌の中枢である下垂体を介した恒常性の維持機構の仕組みが崩れていることが明らかになりつつある。

研究グループは以前、ME/CFSのモデルラットを用いて、脊髄の後角に活性化したミクログリアが増殖し集まっていることを発見し、ミクログリアの活性化を抑制する薬剤()を髄腔内に投与したところ、動物の異常な痛みは抑制されたことから、ストレスによって生じる原因不明の異常な痛みは、脊髄のミクログリアが活性化することによって生じている可能性を報告した。

無意識の筋の過緊張持続が慢性痛に至る可能性

今回研究グループは、このストレスモデルで生じている姿勢を維持する筋の持続的な緊張に着目して解析を行った。まず、慢性疲労モデルとしてラットを水深約1.5cmのケージに入れ、ラットに複合的なストレスを与えた。ラットは後肢で体を支え、壁に寄りかかって深い睡眠をとることができるが、睡眠障害やストレス反応性の低下、通常は痛みをもたらさない触覚刺激を痛みと感じるアロディニア、下肢の筋肉を押すと圧痛を感じるなどの変化が生じた。

一方、ラットの下肢の皮膚や筋肉、および血液検査で、損傷や炎症を示す遺伝子の発現は全く見られなかった。神経の過活動のマーカーとなる転写因子「ATF3」の発現を指標に解析すると、体性感覚を脊髄に伝える脊髄神経節(後根神経節)の中の固有感覚を伝える神経細胞で、最初に転写因子ATF3の発現を観察した。これに続き、この固有感覚が存在する脊髄後角の内側部にミクログリアが活性化して集積している像を観察。さらに、刺激が継続すると、脊髄の腹側(前角)にある一部の運動ニューロンの周りにミクログリアが集積してきた。この運動ニューロンも、ATF3が陽性となり、過活動が生じていることがわかったという。

この過活動を起こしている運動ニューロンは、ふくらはぎの代表的な抗重力筋であるヒラメ筋に投射していることが判明し、反射弓に沿って神経の過活動とともに、ミクログリアの活性化が生じていることがわかった。ヒラメ筋の緊張を抑制するために、足の関節を固定すると、同様の痛みがみられなくなったことから、一部の筋の過緊張が痛みを引き起こしていることが明らかになった。

ヒトでの実証と、新たな治療標的に対する治療法開発に期待

ME/CFSとFMは、)や、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などと共に、機能的身体症候群(FSS)に含まれ、FSSでは痛みをはじめ、共通の症状が見られる。引金は疾患ごとに異なるが、無意識の筋の過緊張が持続することが、これらの疾患での慢性痛に至る共通のメカニズムである可能性がある。

研究グループは、「FFSなどの患者の疼痛を和らげる治療には、脳や脊髄に存在するミクログリアを標的とすることが有効であるほか、一部の筋の過緊張を解除し、固有感覚ニューロンの活動性抑制を標的とする新たな治療法が考えられる。今後は、ヒトでの実証と新たな治療標的に対する効果的な治療法の開発が期待される」と、述べている。(QLifePro編集部)

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