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【米国】痛み止めクリームによる疼痛緩和効果、プラセボと統計学的な有意差なし

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2019年02月18日 AM10:00

局所鎮痛薬の有効性にエビデンスなし?

慢性的な痛みに対して局所鎮痛薬は広く汎用されているにもかかわらず、疼痛緩和に有効とするエビデンスはほとんどみられないことが、米ウォルター・リード国立軍事医療センターのSteven Cohen氏らの研究で明らかになった。「Annals of Internal Medicine」2月5日オンライン版に掲載された研究では、配合クリーム剤の局所鎮痛薬にプラセボを上回る有効性は認められなかったという。


画像提供HealthDay

 局所鎮痛薬の価格はチューブ1本当たり20ドル(約2,200円)から数千ドルに上り、米国では年間数十億ドルもの費用がかかるとみられている。Cohen氏らによれば、米国成人の3人に1人が慢性的な痛みを抱えており、それによる直接的および間接的な医療コストは年間で約6000億ドル(約650兆円)にも上るという。なお、局所鎮痛薬には、麻酔薬や鎮痛薬、鎮静薬、抗うつ薬、抗けいれん薬、筋弛緩薬などが一種類あるいは二種類以上含有される。

今回の研究は、18~90歳の成人男女399人を対象に、2015年8月~2018年2月に実施されたもの。参加者の約43%が現役の軍人であり、その他は退役軍人またはその家族であった。

参加者は全員、顔や背部、臀部、頸部、腹部、胸部、鼠径部または四肢などの特定の領域に慢性的な疼痛を抱えていた。慢性疼痛のある平均期間は6.7年であった。また、参加者のうち133人は帯状疱疹や糖尿病などの神経損傷によって引き起こされる神経因性疼痛に、133人は熱傷やねんざなどの組織損傷に起因する侵害受容性疼痛、残る133人は腰痛などの神経や組織の損傷に起因する混合性疼痛に分類された。

参加者を、局所鎮痛薬(配合クリーム剤)またはプラセボクリームのいずれかを患部に1日3回塗布する群にランダムに割り付けて、1カ月間塗布してもらった。治療期間中には、疼痛日誌に痛みの程度を1日2回記録してもらい、その記録に基づき有効性を評価した。

その結果、疼痛の種類にかかわらず、局所鎮痛薬群とプラセボ群の間で、疼痛スコアの平均減少に統計学的な有意差はみられないことが分かった。参加者全員で疼痛スコアはわずかに改善したが、Cohen氏は「これは恐らく、プラセボ効果によるものと考えられる」との見方を示している。

Cohen氏は「参加者の人数と1カ月という研究期間を考慮すると、局所鎮痛薬が実際に有効であるならば、両群間に有意差が認められたはずだ。しかし、局所鎮痛薬を塗った患者群でみられた痛みの軽減は、プラセボクリームを塗布した患者群でみられたものと統計学的に有意な差はみられなかった」と説明している。

今回の研究の参加者は、米国防総省が提供する健康保険制度「TRICARE」の補償を受ける資格を有していた。Cohen氏らは、TRICAREは、2013年度には局所鎮痛薬に2億5900万ドル(約280億円)、2014年度には7億4600万ドル(約820億円)の費用を要し、2015年度の初月には、国防総省は1日当たり約600万ドル(約6億5000万円)を同薬に支払っていると指摘している。(HealthDay News 2019年2月5日)

▼外部リンク
Little Evidence Pain Creams Work

HealthDay
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