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血友病Aが対象の半減期延長型血液凝固因子製剤「ジビイ静注用」を発売-バイエル薬品

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2019年02月14日 PM12:00

新規のペグ化遺伝子組換え型血液凝固第VIII因子製剤

バイエル薬品株式会社は2月12日、血友病A治療薬として、ペグ化遺伝子組換え型血液凝固第VIII因子製剤「ジビイ(R)静注用 500、1000、2000、3000」(一般名:ダモクトコグ アルファ ペゴル(遺伝子組換え))を発売したと発表した。

血友病は主として、血栓形成に必要なタンパク質のひとつの欠損あるいは機能低下に起因する遺伝性疾患で、患者数は全世界で約40万人。血友病Aは最も多いタイプの血友病で、血液凝固第VIII因子の欠損あるいは機能低下のために、血が止まりにくくなる。患者は筋肉、関節、その他の組織で出血を繰り返し、結果的に関節に慢性的な損傷がおよぶ。また、健康な人より血栓形成に時間がかかるため、適切な治療がされない場合、外傷が重篤な結果に至ることがある。日本国内の血友病A患者は約5,000人と報告されている。

ジビイは、独バイエル社が開発した新規のペグ化遺伝子組換え型血液凝固第VIII因子製剤。(ペグ)分子が部位特異的に第VIII因子と結合(ペグ化)することにより、生体内半減期を延長し、長時間体内での血液凝固活性を維持できるように設計されている。

より少ない投与頻度での定期補充療法が可能になると期待

今回の承認の根拠となったPROTECT VIII試験では、週2回、5日に1回、または週1回の投与で同剤の定期補充療法を実施したところ、いずれの投与レジメンにおいても良好な出血抑制効果が得られた。出血時の止血効果も良好で、出血エピソードの大半はジビイの1~2回の投与でコントロール可能だった。また、ジビイは手術時の止血管理にも有効だった。さらに、いずれの治療においても同剤は良好な忍容性を示した。主な副作用は、頭痛2例(1.5%)、関節痛2例(1.5%)、およびALT(GPT)上昇2例(1.5%)。同製剤については、2018年8月に米国において、2018年11月に欧州連合加盟国において承認を取得している。

第VIII因子製剤の定期補充療法を実施する多くの成人の患者がライフステージの変化に伴い、より少ない頻度での投与(輸注)を望んでいる。しかし、実臨床においては、従来の非修飾型の第VIII因子製剤では週3回~隔日での投与が必要だった。一方、ジビイの臨床試験においては、週2回、5日に1回、または週1回の投与による定期補充療法で出血抑制効果が認められたことから、患者が望むより少ない頻度での輸注が可能になることが期待される。

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