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再入院へのペナルティーで退院後30日以内の死亡率が上昇

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2019年01月09日 AM10:00

再入院率によるペナルティー制度で患者の死亡率上昇

心不全や肺炎による入院患者の再入院率を抑えるため、医療機関に金銭的ペナルティーを課したところ、退院後30日以内の死亡率が上昇したという研究結果が「Journal of the American Medical Association()」12月25日号に発表された。


画像提供HealthDay

米国のメディケア・メディケイド・サービスセンターは2012年、、肺炎による入院患者の退院後30日以内の再入院率が一定の水準を超えた医療機関に金銭的ペナルティーを課す制度を導入した。この制度は「病院再入院削減プログラム(HRRP)」と呼ばれるもの。導入後、これら3つの疾患による入院患者の再入院率は低下したが、専門家の間では、HRRPが患者ケアに悪影響を与え、退院後の死亡率を高めているのではという懸念が広がっていた。

米ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターのChangyu Shen氏らは今回、2005~2015年の出来高払い方式のメディケア受給者における心不全、心筋梗塞、肺炎を原因とした入院800万件超のデータを用いて、HRRP導入前後の死亡率を比較検討した。その結果、心不全で入院した患者の退院後30日以内の死亡率は、HRRP導入前の数年間にも上昇していたが、導入後には上昇率が高まっていたことが分かった。

一方、肺炎患者では、退院後30日以内の死亡率は、HRRP導入前には安定して推移していたが、導入後には上昇がみられた。これらの結果について、Shen氏は「心不全や肺炎の患者で退院後の死亡率が上昇したのは、HRRPの導入が原因なのか否かを明らかにするためには、さらなる研究で検証する必要がある。しかし、もしこの制度が原因であるなら、HRRP導入から5年間に、心不全や肺炎の患者で死亡が1万件増えた可能性がある」と説明している。

また、共同研究者で米ハーバード大学医学大学院のRobert Yeh氏は「この研究結果は極めて重要だ。2012年以降、HRRPにより各地の病院に課せられた金銭的ペナルティーの総額は約20億ドルに達している。これは、医療ケアに外部からのインセンティブを適用しても、適用した後の結果を予測するのは難しい場合があることを示した例だ」と指摘する。その上で、「再入院率の抑制を重視した金銭的な動機付けを行う方策については今後も議論を続けるとともに、今回得られたデータを広めていくことが重要だ」と述べている。(HealthDay News 2018年12月21日)

▼外部リンク
Penalties for Higher Hospital Readmission Rates May Hurt Patients

HealthDay
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