医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > テクノロジー > 年間約2万件発症の重症低血糖 その予測と対応は-メドトロがセミナー開催

年間約2万件発症の重症低血糖 その予測と対応は-メドトロがセミナー開催

読了時間:約 1分16秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2018年11月14日 PM02:00

急性期に5%程度の重篤な有害事象を呈する重症低血糖

血糖変動のリアルタイムモニタリングが可能となる、持続グルコースモニタリングシステム「ガーディアンコネクト」の上市を年末に予定する日本メドトロニック株式会社が11月9日、メディアセミナーを開催。徳島大学先端酵素学研究所 糖尿病臨床・研究開発センター センター長の松久宗英氏が「インスリン治療に伴う重症低血糖・低血糖の予測と対応」について講演を行った。


徳島大学先端酵素学研究所
糖尿病臨床・研究開発センター
センター長 松久宗英氏

日本糖尿病学会では、ガイドラインや専門医研修ガイドブックなどで、血糖値が70mg/dl以下の場合を「」、さらに回復に第三者の援助を要したり、痙攣や昏睡に至るものを「」と定義している。重症低血糖を示す1型糖尿病の特徴として、年齢やHbA1cに関わらず好発する、反復する、無自覚性があり、同2型糖尿病の特徴として、インスリンまたはSU薬による治療を行っている、高齢、HbA1c低値、腎機能障害者、前駆症状を伴うなどがある。

「重症低血糖は、急性期に5%程度の重篤な有害事象を呈するほか、致死的不整脈を引き起こしやすくなり、長期にわたる心血管イベントや死亡リスクにも関連しています。重症低血糖は国内で年間2万件程度発症していると推計されます」(松久氏)

患者教育・可視化・リスクを低減した治療への変更がカギ

低血糖予防のためのアプローチとして松久氏は、患者への低血糖教育、医療機器の活用による低血糖の可視化、低血糖のリスクを低減した治療への変更、の3点を挙げる。「重症低血糖に影響した因子として多いのは、食事の内容・タイミングの不適合と薬剤の過量・誤投与です。4分の3以上の因子は、医療者の適切な指導や患者側の注意でリスクの回避・低減が期待できます」(松久氏)

医療費増大・社会的損害の面でも大きな影響を与える重症低血糖。本人のみならず、周囲の気づきや社会への啓発が必要、と松久氏は語った。(QLifePro編集部)

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 テクノロジー

  • ステージ4肺がん、電カルデータから高精度に予後予測するAIを構築-近大ほか
  • ペット型ロボットは、無菌室での長期療養患者への心理面支援に「有効」-東京医科大
  • 介護保険の質疑応答、生成AIチャットボットのシステムを開発-岡山大
  • 視覚障害者を支援、AI活用の写真撮影システム「VisPhoto」開発-大阪公立大ほか
  • 子宮肉腫の術前診断、AIで自動化するシステムを開発-東大ほか