医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 脳小血管病の新たな疾患責任遺伝子を発見、病態解明や治療法開発に期待-横浜市大ら

脳小血管病の新たな疾患責任遺伝子を発見、病態解明や治療法開発に期待-横浜市大ら

読了時間:約 1分27秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2018年11月14日 PM01:15

COL4A1/COL4A2遺伝子とは別の責任遺伝子の存在を想定

横浜市立大学は11月12日、脳小血管病の新たな疾患責任遺伝子を発見したと発表した。この研究は、同大附属病院遺伝子診療科・宮武聡子講師、同大学術院医学群遺伝学教室・松本直通教授らと、スイス・、浜松医科大学、、重井医学研究所などとの共同研究によるもの。研究成果は「Annals of Neurology」オンライン版に掲載されている。


画像はリリースより

脳小血管病は、、脳出血、白質脳症などをきたす、比較的頻度が高い疾患で、脳卒中全体の最大50%を占めるともいわれている。そのうち約5%は遺伝性と考えられており、若年発症、家族内発症などが特徴だ。

COL4A1/COL4A2遺伝子は、IV型コラーゲンのα1/2鎖をコードする遺伝子。遺伝性脳小血管病の疾患責任遺伝子として知られ、孔脳症や脳出血、白質脳症などを引き起こす。しかし、臨床的にCOL4A1/COL4A2関連疾患を疑われる症例で遺伝子解析を行っても、変異が同定されるのは20~30%程度であるため、別の責任遺伝子の存在が想定されていた。

COLGALT1遺伝子の劣性変異を発見

研究グループは、臨床的にCOL4A1/COL4A2関連疾患を疑われた2例に全エクソーム解析を実施。その結果、新たにCOLGALT1遺伝子の劣性変異を見出した。2例はいずれも、新生児期~小児期に孔脳症、脳出血、白質脳症を発症していたという。

COLGALT1遺伝子は、コラーゲンタンパク質の翻訳後修飾を行う酵素であるコラーゲンβ(1-O)ガラクトシルトランスフェラーゼ1をコードし、コラーゲンの成熟化に関わるとされる。この酵素の活性が低下することで、細胞内のIV型コラーゲンの産生、および細胞外分泌が減少。IV型コラーゲンは脳内の血管の構成要素であるため、これが減少すると血管がもろくなり、脳卒中を引き起こしやすくなると考えられる。

今回の研究によって得られた知見は、脳小血管病の早期診断に貢献できる可能性を示唆するもの。研究グループは「病態解明が進めば、脳小血管病の新しい治療法の開発にも寄与することが期待される」と述べており、今後はモデル動物を作成し、さらなる病態解明と治療法の探索を行う予定としている。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • 肝がんに対する遺伝子治療法を開発、マウスで有効性と安全性を確認-新潟大ほか
  • 帝王切開による分娩が、母子関係悪化リスクにはならないことが判明-富山大
  • ゴマに含まれる「セサミン」の抗炎症効果に関わる分子機構を解明-慶大ほか
  • X線暗視野CTで乳頭内乳管の可視化に成功、乳がんのsick lobe理論を支持-名大ほか
  • 重症下肢虚血、患者の自家「DFAT細胞」を用いた血管再生医療の臨床研究を開始-日大