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マラリア探知犬が誕生?

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2018年11月09日 AM10:00

マラリア患者をにおいで嗅ぎ分ける探知犬

鋭い嗅覚を持つイヌは爆弾やドラッグを見つけ出すことができるが、さらにマラリアに感染した患者のにおいも嗅ぎ分けられることが英ダラム大学生命科学部教授のSteve Lindsay氏らの研究で明らかになった。この研究結果は米国熱帯医学会(10月28日~11月1日、米ニューオリンズ)で発表された。今後の研究でこの結果が確認されれば、最も高い治療効果が得られる早期のマラリア患者の探知にイヌが活躍するようになるかもしれない。


画像提供HealthDay

研究では2匹のイヌ(ラブラドール・レトリバーとラブラドール-ゴールデン・レトリバー)をマラリアのにおいを嗅ぎ分けるよう訓練した。その後、このチームには3匹目のイヌ(スプリンガー・スパニエル)が加わった。

最初の2匹のイヌに、マラリアに感染した小児30人とマラリアには感染していない小児145人が履いたナイロン製の靴下のにおいを嗅がせたところ、マラリアに感染した患児の70%、感染していない子どもの90%を正確に嗅ぎ分けることに成功した。なお、靴下を履いていたのは西アフリカのガンビアに住む5~14歳の小児だった。

Lindsay氏は「この研究結果は初期段階のものではあるが、高い精度でマラリア患者のにおいを検出するように犬を訓練できることが示された」と説明している。その上で「現在、通関手続地で果物や野菜、ドラッグを発見する探知犬が活躍しているが、それと同様にイヌをマラリアの非侵襲的なスクリーニングに活用できるかもしれない。また、この方法が実現すれば、マラリアが根絶した国々にマラリアが持ち込まれるのを防げるほか、無症状の感染患者でも抗マラリア薬による治療を受けられるようになる可能性がある」と期待を示している。

世界保健機関(WHO)によると、世界のマラリア患者数は2016年の時点で2億1600万人に上り、前年と比べて500万人増加していた。また、同年にマラリアが原因で死亡した人は約44万5,000人と推定されている。

共同研究者の一人でロンドン大学衛生熱帯医学大学院のJames Logan氏は「この数年、マラリア制圧を目指した取り組みには大きな進展がみられておらず、革新的な新しいツールの開発が求められていた」と指摘する。また、同氏は今回の研究結果について「症状はないがマラリアに感染している患者を迅速かつ容易に診断する手段として、実際に探知犬を活用できる可能性を示したものだ」と説明している。

なお、学会発表された研究は通常、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2018年10月29日)

▼外部リンク
Malaria-Sniffing Pooches Might Help Save Lives

HealthDay
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