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【台湾】PM2.5への曝露量が増えるほど口腔がんに罹患する確率が上昇

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2018年10月23日 AM10:00

大気汚染で口腔がんリスク上昇か

大気汚染が進んだ都市部で生活する人は、口腔がんに罹患するリスクが高い可能性があることが、中山医学大学(Chung Shan Medical University、台湾)のYung-Po Liaw氏らによる研究で明らかになった。約48万人の中年期の男性を対象とした研究から、微粒子状物質()の曝露量が増えるほど口腔がんに罹患する確率が上昇することが分かったという。詳細は「」10月9日オンライン版に掲載された。


画像提供HealthDay

今回の研究では、台湾の64自治体に在住する40歳以上の男性48万2,659人の診療記録を、66カ所の大気汚染監視装置から収集した大気汚染データと比較した。その結果、PM2.5の曝露量が最低四分位群に比べて、最高四分位群では口腔がんに罹患するリスクが43%高いことが分かった。喫煙習慣や噛みたばこ(ビンロウ;東南アジアやインドなどで噛みたばことして広く用いられているヤシ科の木の実)といった口腔がんのリスク因子を考慮しても、これらの関連が認められたという。

Liaw氏らによると、こうした口腔がんリスクの原因は、大気中の微粒子状物質に含まれる重金属にあると考えられるという。こうした重金属は極めて微小なため、口腔組織に吸収されやすく、身体に大きな悪影響を及ぼすと考えられる。一方、大気汚染と口腔がんが関連する背景は明らかになっていないが、鉛やカドミウム、ヒ素、クロム、ニッケルなどの金属成分のほか、多環式芳香族炭化水素(PAH)などの有機化合物にも発がん性があると考えられていると、同氏は説明している。

予防疫学の専門家の一人で米ノースウェル・ヘルスのJacqueline Moline氏は、これまでの研究で、大気汚染は主に肺や心臓の疾患と関連することが指摘されてきたと話す。「大気中の微粒子状物質を構成する成分の多くに発がん性があることから、今回の研究は、大気汚染の悪影響は心臓や肺にとどまらず重大であることが浮き彫りになった」と同氏は述べている。

さらに、Moline氏は、今回の研究から世界貿易センター(WTC)ビル崩壊時の対応にあたった作業員に口腔がんに罹患する人が多い理由も説明できると指摘し、「大気汚染の影響を明らかにするには、今後も研究を続けていくことが不可欠だ」と付け加えている。米国環境保護庁(EPA)によると、微粒子状物質による汚染は発電所や工場、自動車から放出される化学物質のほか、火災の煙などに由来するという。

Liaw氏は、口腔がんが心配な人は日ごろから大気汚染レベルに気を付けて、汚染レベルが高いときは屋外で長時間過ごすのを避けたり、喫煙や噛みたばこなどの習慣をやめるようにとアドバイスしている。また、大気汚染が深刻な地域に住む人は、定期的に口腔がんの検診を受けることを勧めている。なお、米国では毎年、約4万9,750人が口腔がんと診断されており、5年後の生存率は約50%とされている。(HealthDay News 2018年10月10日)

▼外部リンク
Smoggy Air Tied to Higher Odds for Mouth Cancers

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