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アカデミアとの共創による次世代AI技術の開発拠点「Brain(s)」を開設-富士フイルム

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2018年10月04日 AM11:30

より高度な社会課題を解決する製品・サービスを提供

富士フイルムホールディングス株式会社は10月1日、アカデミアとの共創により次世代AI技術を開発する拠点、FUJIFILM Creative Center「Brain(s)」(ブレインズ)を開設したことを発表した。Brain(s)は、脳に象徴される人々の叡知(brains)を、(AI)を軸として融合するという意味合いを持ったネーミング。同拠点は、東京・丸の内に開設される。


画像はリリースより

同社はこれまでにも医療機器などを提供するメディカルシステム事業を始め、医薬品、再生医療、バイオCDMO事業などで構成されるヘルスケア事業や、ディスプレイ材料・ファインケミカルなどの高機能材料事業、ドキュメント事業など、さまざまな事業領域を手掛けている。また、これらの領域におけるユーザーニーズや課題を解決するため、専門的な判断を必要とする医療画像や社会インフラ点検画像などのデータを対象に、AI技術の開発を進めてきていた。このAI技術をさらに進化させ、より高度な社会課題を解決する革新的な製品・サービスをより早く提供すべく、最先端AI技術と融合させるため、アカデミアとの共創を実現する新たな研究開発拠点の開設に至ったという。

社内外のAI人材を育成「」も開講

これまでも同社は、理化学研究所革新知能統合研究センター(理研AIPセンター)内への「理研AIP-富士フイルム連携センター」の開設や、東京大学大学院情報理工学系研究科内への「社会連携講座」の開設など、アカデミアと連携し、AI技術を開発してきていた。今後は、Brain(s)を活用し、同社が事業活動を通して得た医療現場や社会インフラ点検現場などの実課題に加え、検査画像や診断レポートなども活用し、アカデミアの自然言語処理やマルチモーダルAIなどの基礎技術を活用することで、社会課題を解決するための、より高度な次世代AI技術を開発していく予定。ディープラーニング用として世界最速のスーパーコンピュータを導入し、国内トップレベルの研究環境を構築し、AI技術の開発をさらに加速させていくという。

さらに今回では、新たな取り組みとして「FUJIFILM AIアカデミー」を開講予定。社内外の人材が、同アカデミーで著名な研究者との交流を通じて最先端のAI技術に触れ、学ぶことができる。この取り組みは、次世代のAI/ICTを活用する未来の社会を構想し、日本の未来の産業をリードするAI/ICT人材を育成することが目的だという。

また、丸の内という立地を活かし、AI研究を進めるスタートアップ企業などとのコラボレーションも実施。画像診断支援など医療の次なる領域を切り開くAI技術「REiLI(レイリ)」や、AIを活用して開発したフォトブック「イヤーアルバム」、AIを活用した画像解析によって、ひび割れ点検業務を大幅に効率化する社会インフラ画像診断サービス「ひびみっけ」など、同社ICT関連製品・サービス、技術の展示およびコラボレーションエリアをBrain(s)内に設け、実際に見たり触れたりしながら、さまざまな企業とビジネスアイデアを創出できるICTオープンイノベーションを構築した。今後も、幅広い分野において活用できるAI技術開発を、より強力に推進していきたいとしている。

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