医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 海外 > 地中海食の摂取で女性の脳卒中発症リスクが低減する可能性

地中海食の摂取で女性の脳卒中発症リスクが低減する可能性

読了時間:約 2分
このエントリーをはてなブックマークに追加
2018年10月02日 AM10:00

女性は地中海食で脳卒中リスクが低減する可能性

栄養バランスに優れ、適正体重の維持に有用とされる地中海食を摂取している女性は、脳卒中の発症リスクが低減する可能性があることが、英アバディーン大学のPhyo Myint氏らが実施した研究で明らかになった。ただし、男性ではこうした地中海食の脳卒中に対する有益性は認められないことも分かった。研究の詳細は「Stroke」9月20日オンライン版に掲載された。


画像提供HealthDay

地中海食は果物や野菜、魚、ナッツ類が豊富で、肉類や乳製品を控える食事法を指す。Myint氏らは今回、地中海食による脳卒中への影響を調べるため、欧州のがんに関する大規模な観察研究に参加した40~77歳の男女2万3,232人(平均年齢59.1±9.3歳)を前向きに17年間追跡し、これらの関連を検討した。7日間の食事日記をもとに地中海食の遵守度を評価し、その遵守度の高さで対象者を4つの群に分けて脳卒中リスクを比較した。

その結果、追跡期間中に2,009人が脳卒中を発症した。解析の結果、地中海食スコアが最も高かった群では、最も低かった群に比べて脳卒中リスクは17%有意に低いことが分かった。男女別にみると、女性では地中海食スコアが最も高い群で脳卒中リスクは22%有意に低下したのに対し、男性では6%の低下にとどまっていた。

さらに、心血管疾患リスクが高い集団では、地中海食スコアが最も高かった群では、最も低かった群に比べて脳卒中リスクは13%有意に低下したが、これも主に女性でリスクが20%低減したことによるものであることが明らかになった。

これらの結果を受け、Myint氏は「食習慣を少し変えるだけで、女性は脳卒中リスクを低減できる可能性がある」と述べている。ただし、今回の研究では因果関係は明らかになっておらず、男性で脳卒中リスクの低減効果がみられなかった理由も分かっていないという。

しかし、男女では生物学的に大きな差があることは明らかで、「女性では、経口避妊薬の使用やホルモン補充療法といった女性特有の脳卒中のリスク因子があるほか、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病も脳卒中のリスク因子だと考えられている」とMyint氏は説明している。その上で、「地中海食の一部の要素が、男性よりも女性の脳卒中リスクに良い影響をもたらしているのではないか」と同氏は述べている。

専門家の一人で米ニューヨーク大学(NYU)ランゴン医療センターの臨床栄養士であるSamantha Heller氏によると、地中海食の特徴は食物繊維やビタミン、ミネラルなど抗炎症作用や抗酸化作用のある栄養素を含む食材が豊富であることだという。同氏は「これまでの研究で、地中海食は心疾患や2型糖尿病、一部のがん、思考力の低下などのリスクを低減することが報告されている」と指摘しつつ、ファストフードや加糖飲料などの炎症を促すような食品は避け、健康的な食品を毎日の食事に取り入れることを勧めている。(HealthDay News 2018年9月20日)

▼外部リンク
Mediterranean Diet May Cut Stroke Risk for Women, But Not Men

HealthDay
Copyright (C) 2018 HealthDay. All rights reserved.
※掲載記事の無断転用を禁じます。
このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 海外

  • ビタミンDサプリメント摂取による骨粗しょう症予防、高齢者には効果なし?
  • 【米症例報告】ネットで購入したバイアグラで色覚異常
  • 新しい経口避妊薬にも卵巣がんの予防効果がある可能性
  • 単純性急性虫垂炎は抗菌薬治療だけで治せる可能性
  • 閉経前の卵巣摘出で慢性腎臓病発症リスクが高まる可能性