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米国大統領選、有権者の絶望感がトランプ氏を勝利に導いた可能性

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2018年09月20日 AM10:00

トランプ氏勝利の背景に「絶望による死」の増加

健康状態の悪さや早期死亡率の高さに対する有権者の絶望感が、2016年の大統領選でドナルド・トランプ氏を勝利に導いた可能性があることが、米コロンビア大学のLee Goldman氏らの研究で明らかになった。同氏らの分析から、前回の大統領選から共和党の得票率が伸びた郡では、民主党の得票率が伸びた郡と比べて年齢調整死亡率が15%高く、特にトランプ氏の支持率が顕著に上昇した郡では「絶望による死」が大幅に増加していたことが分かった。詳細は「Journal of General Internal Medicine」9月5日オンライン版に発表された。


画像提供HealthDay

この研究では、共和党が勝利した郡では、アルコールや薬物、自殺を原因とした死亡者数が、民主党が勝利した郡の2.5倍であることも明らかになった。Goldman氏は「死亡率は不満や落胆、絶望感の重要なマーカーである可能性がある。また、文化的な超越性(cultural displacement)に対する恐怖心が、特に都市部以外の地域に住む白人労働者をトランプ大統領の支持に向かわせたと考えられる」と話す。

Goldman 氏らは今回、全米の3,112郡の選挙データを用いて2008~2016年に行われた大統領選の投票パターンの変化について分析した。次に、投票パターンの変化を各郡の死亡率の変化と照らし合わせた。

その結果、2008年の前回の大統領選と比べて2016年に民主党の得票率が下がり、共和党の得票率が上がった郡では、年齢調整死亡率が高いことが分かった。Goldman 氏らは、研究では関連が認められたに過ぎないとしながらも、「死亡率による影響力は、2016年の大統領選でいくつかの州において投票をトランプ氏に向かわせるには十分だった」と主張している。

一方、今回の研究からは、民主党の支持率が高まった郡では、アルコールや薬物、自殺に関連した死亡が全死亡に占める割合は5%程度であることも明らかになった。この点について、Goldman氏は「共和党の支持率が高まった郡では全体的な死亡率が高かったが、こうした絶望による死への有権者の怒りが時間をかけて地域中に広がっていったのではないか」と推測している。

なお、この研究では、トランプ氏によって共和党の得票率が上昇した郡は、ヒラリー・クリントン氏によって民主党の得票率が上昇した郡と比べて住民の平均年齢や白人の割合、貧困率が高く、教育レベルが低いことも分かった。

Goldman氏らのこの報告を受け、米ノースウェル・ヘルスのシニアバイスプレジデントであるIra Nash氏は「この論文が妥当であるなら、極めて皮肉な結果だ。ソーシャルサービスやヘルスケアの利用を必要とする層が、いずれも削減しようとしている政党に投票したと言える」とコメントしている。(HealthDay News 2018年9月5日)

▼外部リンク
‘Deaths of Despair’ May Have Helped Fuel Trump’s Victory: Study

HealthDay
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