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開発中の“ニキビワクチン”で病変組織の炎症が抑制

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2018年09月14日 AM10:00

ニキビをワクチンで予防できる日は近い?

思春期にニキビ()はつきものだが、ワクチンで予防できる日は近いかもしれない―。米カリフォルニア大学サンディエゴ校皮膚科学教授のChun-Ming Huang氏らは、ニキビの発生に関与する皮膚の常在菌が放出する毒素を標的とした開発中のワクチンにより、マウスやヒトのニキビ病変の組織で炎症が抑制されたことを確認したと「Journal of Investigative Dermatology」8月29日オンライン版に発表した。


画像提供HealthDay

ニキビの原因には、皮膚の常在菌の一つであるプロピオニバクテリウム・アクネス(アクネ菌)が知られており、アクネ菌が産生するCAMP(Christie-Atkinson-Munch-Peterson)因子と呼ばれる毒素が炎症を引き起こすと考えられている。今回報告されたニキビワクチンは、このCAMP因子を標的とした抗体を用いたものだ。Huang氏らは以前、マウスの実験でこのワクチンによってアクネ菌の増殖と炎症性サイトカインの産生が抑制されたことを確認していたが、今回報告されたヒトのニキビ病変組織を用いた実験でも、ワクチンによって2種類の炎症性サイトカインの産生量が大幅に減少することが分かったという。

ただ、ヒトに直接ワクチンを接種した場合にも同じ効果がみられるかどうかは現時点では不明だ。それでも、Huang氏は「このワクチンは特定の菌を標的としているため、副作用は最小限に抑えられるはずだ」と説明する。また、同氏らは現在、ニキビワクチンの臨床試験を共同で実施する企業を募っていることを明らかにしており、「臨床試験でワクチンの効果が確認されれば、3~5年以内に実用化できるのではないか」と予測している。

なお、ニキビの有病者数は世界で6億5000万人に上り、世界で8番目に多い疾患とされている。現行の治療法はスキンクリームや抗菌薬、レチノイドの全身投与などだが、しばしば過度な乾燥や刺激などの副作用を伴う。また、ひどい場合はニキビによるストレスや羞恥心でうつ病や自殺、自殺念慮などのリスクも高まることが報告されている。Huang氏らは、このワクチンの実用化によりニキビに悩む多く人々がストレスから解放されることに期待を寄せている。

今回のHuang氏らの報告について、チューリッヒ大学(スイス)皮膚科学のEmmanuel Contassot氏は付随論評で、「副作用を伴いやすい抗菌薬やレチノイドなどによる現行治療に対し、アクネ菌から産生される毒素を標的としたワクチンの接種は特異的で毒性は低い可能性がある。しかし、こうしたワクチンの開発には、悪玉のアクネ菌のみを標的とし、善玉のアクネ菌は保たれるようなものでなければならない」と話している。また、同氏は、ニキビ治療においてワクチンは極めて有望なアプローチだと評価するが、「臨床試験を実施する前には、さらなる検討が必要だ」と付け加えている。(HealthDay News 2018年9月4日)

▼外部リンク
A Vaccine to Prevent Acne? It May Be Possible One Day

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