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【AHA】痛風のある冠動脈疾患患者は心血管疾患の転帰が不良になりやすい

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2018年09月03日 AM10:00

痛風で冠動脈疾患患者の心疾患リスク増

痛風のある閉塞性冠動脈疾患患者は、そうでない患者に比べて心血管疾患の転帰が不良になりやすい可能性のあることが、米デューク大学のNeha Pagidipati氏らの研究で明らかになった。研究の詳細は「The Journal of the American Heart Association」8月17日オンライン版に掲載された。


画像提供AHA

米国関節炎財団の推計によれば、米国では男性の600万人、女性の200万人が痛風に罹患しており、患者数は人口の約4%を占めるとされている。痛風は、体の中の尿酸が関節中で固まって結晶になることにより、関節の急激な痛みや圧痛、発赤、熱感、腫れなどをもたらす。これまでの研究で、痛風は腎臓病や糖尿病、がん、睡眠時無呼吸症のリスクを上昇させる可能性が報告されている。

心臓専門医であるPagidipati氏らは今回、1998~2013年に同大学医療センターで閉塞性冠動脈疾患により心臓カテーテル治療を受けた患者1万7,201人のデータを分析した。対象患者のうち1,406人(8.2%)は研究開始時に痛風に罹患しており、心血管リスク因子に対する治療を受けていた。

6.4年間(中央値)の追跡の結果、冠動脈疾患患者は心血管リスク因子への積極的な薬物治療を受けていても、痛風があると心血管疾患の転帰が不良となり、死亡とも関連することが分かった。また、研究開始時に既に痛風に罹患していたか、追跡期間中に痛風を発症した患者は、痛風のない患者に比べて心血管疾患による死亡や心筋梗塞または脳卒中のリスクが15%高いことが明らかになった。さらに、痛風のある患者では、そうでない患者に比べて心不全により死亡するリスクが2倍に上っていたという。

こうした結果を踏まえて、Pagidipati氏は「われわれ医師は、痛風のある冠動脈疾患患者は、たとえ標準的な治療を受けていても心血管疾患を発症するリスクが高いことを認識しておく必要がある。また、痛風のある患者自身もそうしたリスクがあることを知っておくべきだ」と話している。

痛風が心血管疾患リスクを高める理由は明らかにされてないが、Pagidipati氏によると酸化ストレスや炎症の亢進の関与が考えられるという。「一般に、炎症レベルが高いと心血管疾患リスクも上昇することが知られており、痛風は急性の炎症性疾患と特徴づけられる」と同氏は付け加えている。

 専門家の一人で米アラバマ大学免疫内科学教授のJasvinder Singh氏は「痛風は単に関節の疾患ではなく、身体全体に炎症を引き起こし、心臓などさまざまな臓器にも影響を及ぼす」と強調する。また、「今回の研究結果は、痛風の症状が頻繁に出ないからといって、軽視することがいかに危険かを強調するものだ。症状が出るのが2年に一度程度なので治療の必要はないという患者もいるが、痛風を治療しないで放置すれば心血管の状態に悪影響を及ぼす可能性のあることを知っておくべきだ」と話している。(American Heart Association 2018年8月17日)

▼外部リンク
AHA: Gout Could Increase Heart Disease Risk

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