医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > イミフィンジ、ステージIII NSCLCの根治的化学放射線療法後の維持療法の適応で発売-AZ

イミフィンジ、ステージIII NSCLCの根治的化学放射線療法後の維持療法の適応で発売-AZ

読了時間:約 1分20秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2018年08月31日 AM11:45

P3試験での良好なPFSデータに基づく承認

アストラゼネカ株式会社は8月29日、切除不能な局所進行()の非小細胞肺がん(NSCLC)における根治的化学放射線療法後の維持療法を効能・効果とした「イミフィンジ(R)点滴静注120mg・同500mg」(一般名:(遺伝子組換え))の販売を開始したと発表した。


画像はリリースより

今回の承認は、第3相PACIFIC試験の良好な無増悪生存期間(PFS)データに基づくもの。また、2018年5月に発表された全生存期間(OS)の中間解析では、プラセボ投与群との比較で同剤投与群の患者において臨床的に意味のある延長を伴う統計学的に有意な結果が示された。有害事象はイミフィンジ投与群で460例(96.8%)、プラセボ投与群で222例(94.9%)に発現。また、重篤な有害事象はイミフィンジ投与群で136例(28.6%)、プラセボ投与群で53例(22.6%)に発現した。同試験結果の詳細については、今後学会等で発表する予定。

薬価収載に伴い無償提供を終了

イミフィンジは、PD-L1に結合し、PD-L1とその受容体であるPD-1およびCD80の相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し、抗腫瘍免疫反応を誘発する。米国では、2018年2月に白金製剤を含む同時化学放射線療法(CRT)後に病勢進行が認められなかった切除不能なステージIIIのNSCLCに対する治療薬として承認を取得している。

現在、イミフィンジは、、小細胞肺がん、尿路上皮がん、、その他の固形がんの1次治療として、単剤療法ならびに、化学療法、放射線療法、低分子化合物および抗CTLA-4モノクローナル抗体のトレメリムマブとの併用療法が検討されている。

同社はこれまで厚生労働省の定める「保険外併用療養費制度」のもとで、2018年7月2日の製造販売承認取得以降、薬価収載前日までに限定して、同剤の無償提供を実施していた。その結果、45施設で153人の患者の治療に同剤が貢献したという。今回の薬価収載に伴い、同剤の無償提供は終了する。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • 婦人科疾患の診断や不妊治療に有用な免疫検査パネルを発売-シスメックスほか
  • 新型コロナの次世代 mRNA ワクチン「コスタイベ筋注用」、国内第Ⅲ相試験で既存オミクロン株対応2価ワクチンに対する優越性検証を達成-Meiji Seika ファルマ
  • SGLT2阻害薬、糖尿病関連腎臓病の進行を抑える新たな仕組みを発見-岡山大ほか
  • 縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー薬「アセノベル」承認-ノーベルファーマほか
  • 遺伝子治療レンメルディ、小児の異染性白質ジストロフィーでFDA承認-協和キリン