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HPVワクチン、推奨年齢で接種しなかった女性に対する「キャッチアップ接種」の有効性

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2018年08月23日 AM10:00

HPVワクチンは推奨年齢以降のキャッチアップ接種も有効

米国では11~12歳の女児に対してヒトパピローマウイルス()ワクチンの接種が推奨されているが、推奨年齢でワクチンを接種しなかった14~20歳の女児や女性に対する「」の有効性を示した研究結果が「The Lancet Child & Adolescent Health」8月7日オンライン版に発表された。キャッチアップ接種は13~26歳のうちに行うことが推奨されているが、この研究では初回接種が21歳以降だった場合には有意な効果は認められなかった。専門家らは「HPVワクチンは推奨年齢での接種率向上を目指した上で、キャッチアップ接種もできるだけ若いうちにすべきだ」と主張している。


画像提供HealthDay

この研究は、米カイザー・パーマネンテ研究部門のMichael Silverberg氏らが実施したもの。同氏らは、4価HPVワクチンのキャッチアップ接種による子宮頸がんの前がん病変リスクの低減効果について検討するため、カイザー・パーマネンテ・北カリフォルニアの患者データを用いてコホート内症例対照研究を行った。

対象は、米国で4価HPVワクチンが導入された2006年の時点で26歳以下だった女性のうち、1995年1月~2014年6月に子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)分類でグレード2以上(CIN2+)の病変が発見された4,357人(症例群)と、年齢を一致させたCIN2+の病変がない2万1,773人(対照群)。なお、症例群のうち1,849人はCIN分類でグレード3以上(CIN3+)であり、その対照群は9,242人だった。

解析の結果、14歳以降でもHPVワクチンを1回以上接種すると、CIN2+およびCIN3+の病変の予防効果が認められた。また、HPVワクチンによるこれらの病変の予防効果は、初回接種が14~17歳または18~20歳で、かつ計3回以上接種した場合に最も高いことも分かった。一方、初回接種が21歳以降だった場合には、ワクチン接種によるこれらの病変の有意な予防効果は認められなかった。

以上を踏まえ、Silverberg氏は「HPVワクチンはできるだけ低年齢のうちに接種した方が予防効果は高いことが示されたが、21歳以降に接種した場合の有効性は明らかにされなかった。今後の研究では、導入されて間もない9価HPVワクチンを使用した場合など、異なる条件下で21~26歳の女性にHPVワクチンを接種した場合の有効性を評価する必要がある」と話している。

また、米アラバマ大学のSarah Dilley氏らは同誌の付随論評で、今回の結果はこれまでの研究と一致していると指摘しつつ、「HPVワクチンの接種は11~12歳の女児を優先すべきだが、思春期のできるだけ早い時期の接種率向上を目指す取り組みも必要だ」と話している。また、同氏らは「米国ではHPVワクチンの接種率が低いため、キャッチアップ接種が重要であることに変わりはない」と強調。「26歳までのキャッチアップ接種の有効性を示した前向き研究の報告があることから、こうした接種を止めるか否かを判断するには、さらなるデータが必要だ」との見解を示している。(HealthDay News 2018年8月8日)

▼外部リンク
Catch-Up HPV Shots Work for Teen Girls

HealthDay
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