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患者が症状を話せる”持ち時間”はわずか11秒

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2018年08月09日 AM10:00

診療時に患者が話せる時間はたった「11秒」?

診察室での診療時に、患者が医師に自身が抱えている問題について話せる時間はたった11秒程度であることが、米フロリダ大学内分泌学のNaykky Singh Ospina氏らによる研究で示唆された。米国の複数の医療機関で録画された112件の診療での医師と患者の会話を分析した結果、患者が自分の症状について話し始めてから11秒ほどで医師はそれを遮っていたことが分かった。研究の詳細は「Journal of General Internal Medicine」7月2日オンライン版に発表された。


画像提供HealthDay

Singh Ospina氏らは今回、2008~2015年に米メイヨー・クリニックと複数の提携施設で実施された臨床試験の一環で録画された、112件の診療における医師と患者の会話を分析した。この試験は医師と患者の共同意思決定を行うツールの有効性を検証する目的で実施されたもので、約300人の医師と約700人の患者が登録されていた。分析した112件の診療のうち51件は専門医、61件はプライマリケア医によるものであった。

その結果、診療時に医師が患者から症状に対する不安や心配事について聞き出していたのは112件中40件で、全ての診療のわずか36%だった。また、患者から話を聞き出していた医師の割合は、専門医の20%に対してプライマリケア医では49%と高かった。

さらに、患者から不安や心配事を聞き出していた40件中27件(67%)で、患者が話し終わる前に医師が話を遮っていたことも分かった。患者が話し始めてから医師が話を遮るまでの時間は中央値で11秒だった。

専門医で患者の話を聞き出していた医師の割合が低かった点について、Singh Ospina氏らは「専門医にはなんらかの疾患を理由に患者が紹介されてくる場合が多いため、患者が受診した意図をあらためて尋ねる必要がなかったのではないか」と推測している。

また、この研究では、医師が患者の話を遮ったり、患者の話を聞き出さなかった理由は明らかにされていないが、Singh Ospina氏らは、診療の時間的制約や医師のバーンアウト(燃え尽き)といった問題の影響を指摘している。さらに、米国で2004年より以前に研修制度を経験した医師は、コミュニケーション能力の教育が十分でなかったことも、今回の結果を生んだ要因の一つとして挙げられるという。

その上で、Singh Ospina氏は「問診は診療の中でも最も重要な要素の一つであり、医師と患者が良好な関係を築く上で助けにもなる。医師は、自分が診療時に患者に話す機会を十分に与えているかどうかを見直す必要があるだろう」と話している。専門家の一人で米クイニピアック大学のAaron Bernard氏は、医師には患者にもっと自由に話してもらえるような質問をするようにと勧める一方で、患者側には自分が抱えている不安や疑問の中でも最も重要な事柄を、診察の前に整理しておくとよいと助言している。(HealthDay News 2018年7月25日)

▼外部リンク
you Have 11 Seconds to Tell Your Doc What’s Wrong

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