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人工甘味料入り飲料が結腸がんの再発や死亡リスクの低減に有効な可能性

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2018年08月07日 AM10:00

人工甘味料入り飲料の摂取で結腸がん再発リスク減

1,000人を超える進行した結腸がん患者を対象に追跡した結果、人工甘味料入り飲料を習慣的に飲む結腸がん患者は、再発リスクやがんによる死亡リスクが低い可能性のあることが、新たな研究で示された。これらのリスクを抑えるには、砂糖を加えた飲料よりも人工甘味料入り飲料を選んだ方がよい可能性があることも示されたという。研究の詳細は「」7月19日オンライン版に掲載された。


画像提供HealthDay

米国立がん研究所(NCI)の支援で実施された今回の研究は、ステージIIIの結腸がん患者を対象としたCALGB 89803試験のデータを用いたもの。今回は、同試験に参加したステージIIIの結腸がん患者1,018人を対象に、化学療法を実施中および実施後の食習慣に関する自己報告データを分析し、飲料習慣と再発や死亡のリスクとの関連を調べた。

その結果、人工甘味料入り飲料を1日に1回(約350mL)以上飲む人は、飲まない人に比べて、再発リスクやがんによる死亡リスクが46%低いことが分かった。二次解析の結果、飲料の摂取を1日1回分、加糖飲料から人工甘味料入り飲料に置き換えると、これらのリスクは23%低下することも明らかになった。

論文の最終著者である米イェール大学がんセンターのCharles Fuchs氏によると、人工甘味料入りの清涼飲料水には健康リスクのある可能性も指摘されており、その評価は専門家の間でも分かれているという。しかし、今回の結果を踏まえて、同氏は「こうした飲料は、進行した結腸がん患者の再発や死亡のリスクを低減するのに有効な可能性が示された」と話している。

また、論文の筆頭著者を務めた米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院のBrendan Guercio氏は、これまでの多くの研究で、砂糖を多く含んだ飲料を習慣的に摂取するような食習慣は、結腸がんの再発や死亡のリスクを高めることが報告されていると指摘。「甘い飲み物を飲みたい人は人工甘味料が入った飲料を選ぶ方がよさそうだ」と話しているが、今回の研究はこれらの因果関係を証明したものではないと断っている。

一方、専門家の一人で米レノックス・ヒル病院の消化器病専門医であるElena Ivanina氏は「人工甘味料入り飲料は摂取し過ぎると、がんのリスク因子としても知られる肥満やメタボリック症候群のリスクを高めることは明らかだ」と強調。また、Fuchs氏らが実施した研究の方法には問題点が多く、飲料の摂取量は参加者の自己申告に基づいていることや、結腸がんと診断される前の食生活に関する情報が含まれておらず、食事に関する初回調査の実施から3カ月以内に再発または死亡した患者は解析対象に含まれていないこと、さらには、喫煙や赤肉の摂取量など結腸がんのリスク因子が考慮されていないことを挙げている。

同じく消化器病を専門とする米ノースウェル・ヘルスのDavid Bernstein氏もIvanina氏の意見に同意し、「今回の結果は、質の高い研究で同様の結果が得られるまでは懐疑的にみる必要があるだろう」とコメントしている。(HealthDay News 2018年7月20日)

▼外部リンク
Could Diet Soda Help Curb Colon Cancer’s Return?

HealthDay
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