医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 海外 > 【米国】妊娠中や出産直後に急性心筋梗塞を発症する女性が増加、その理由は?

【米国】妊娠中や出産直後に急性心筋梗塞を発症する女性が増加、その理由は?

読了時間:約 1分54秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2018年07月31日 AM10:00

米国で妊娠中や出産直後の心筋梗塞が増加

米国では近年、妊娠中や出産直後に急性心筋梗塞(AMI)を発症する女性が増えているとする調査結果を、米ニューヨーク大学(NYU)医学部の研究グループが「Mayo Clinic Proceedings」7月18日オンライン版に発表した。妊婦のAMI増加の背景として、研究者らは、出産年齢が年々高齢化していることに加えて、肥満や糖尿病患者の増加の影響が考えられるとしている。


画像提供HealthDay

今回の研究では、全米の入院患者サンプル(National Inpatient Sample)データベースを用いて、2002年から2014年にかけて、18歳以上の女性を対象に妊娠中から出産後2カ月以内のAMI発症率の推移を調べた。

研究期間中に病院で出産した4980万件について分析した結果、妊娠中から出産直後にかけて計4,471件のAMIが報告されており、このうち確認されたもので922件(20.6%)が妊娠中に、1,061件(23.7%)が陣痛時および分娩中に、2,390件(53.5%)が出産後2カ月以内に発症していた。

また、妊娠中のAMIの発症率は2002年から2014年には25%上昇し、10万人当たり7件から9.5件へと増加していた。研究期間中にAMI治療は大きく進歩したにもかかわらず、妊婦のAMI後の死亡率は4.5%と比較的高いままで推移していた。

さらに、妊娠中のAMI発症リスクは年齢とともに上昇し、そのリスクは20歳代の妊婦に比べて35~39歳では5倍、40歳代前半になると10倍に上ることが明らかになった。

論文の最終著者であるNYUランゴン・ヘルス准教授のSripal Bangalore氏は「今回の大規模な調査結果は、妊娠や出産というイベントは女性の身体の中でも、特に心臓に大きな負担をかけるという事実を再認識させるものだ」と強調している。

米スタテン・アイランド大学病院循環器科部長のJames Lafferty氏によると、妊娠中には体液が貯留し、血液が固まりやすくなり、心拍出量も増加することを考えれば、今回の結果は驚くべきものではないという。同氏は「心疾患のリスク因子を有する女性が高齢出産するようになったことも、心筋梗塞が増加している理由に挙げられるのではないか」と指摘。心疾患リスクが高い妊婦に対しては、早期にリスク因子を管理するよう強く求めている。

また、妊婦の心筋梗塞が増えている理由として、論文の筆頭著者であるNYUランゴン・ヘルスのNathaniel Smilowitz氏は、医療技術の進歩により心臓発作が発見されやすくなったことを挙げる。「妊娠を希望する女性は、自分が持っている心疾患のリスク因子を事前に把握し、きちんと管理して発症リスクを最小限に抑える必要があるだろう」と話している。(HealthDay News 2018年7月18日)

▼外部リンク
More Pregnant Women Having Heart Attacks

HealthDay
Copyright (C) 2018 HealthDay. All rights reserved.
※掲載記事の無断転用を禁じます。
このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 海外

  • 週2回以上の高用量アスピリン服用で肝臓がんの発症リスクが下がる可能性
  • ビタミンDサプリメント摂取による骨粗しょう症予防、高齢者には効果なし?
  • 【米症例報告】ネットで購入したバイアグラで色覚異常
  • 新しい経口避妊薬にも卵巣がんの予防効果がある可能性
  • 単純性急性虫垂炎は抗菌薬治療だけで治せる可能性