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サッカーのビデオ判定、スロー再生でより厳しいペナルティを科す傾向に

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2018年07月03日 AM10:00

映像の再生速度でサッカー審判の判定が変わる?

6月14日に開幕したサッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会が連日盛り上がりを見せている。サッカーの試合では主審の判定は絶対とされるが、最近では得点やレッドカード(退場処分)などの誤審を減らすためビデオ判定システムの導入が始まっている。今回、ルーヴェン・カトリック大学(ベルギー)のJochim Spitz氏らが行った研究で、ビデオ判定映像の再生速度によって審判のファウルの判定が変わる可能性が示された。映像をスロー再生すると通常速度で再生した場合に比べて、審判はより厳しくファウルをとるようになるという。詳細は「Cognitive Research: Principles and Implications」6月11日オンライン版に掲載された。


画像提供HealthDay

今回の研究では、5カ国のベテラン審判88人を対象に、国際試合でファウルと判定された60場面の映像を見てもらい、再判定してもらった。その際、審判には通常の速度で再生した映像とスロー再生した映像を見せて、再生速度が判定に及ぼす影響を調べた。

その結果、審判はスロー再生映像で選手のファウルを判定すると、より厳しいペナルティを科す傾向がみられることが分かった。ファウルかどうかの判定では、その精度は通常速度の再生(61%)とスロー再生(63%)の間で有意な差はみられなかった。しかし、ファウルが意図的なものであったかどうかの判定では、通常速度の再生よりもスロー再生の映像を見た方がレッドカードとする確率が高かったという。

Spitz氏は「ファウルの意図性の判定はスロー再生映像の方が厳しくなる確率が高かった。再生速度によって、反則が不用意だったのか(カードなし)、イエローカード(無謀なファウル)、レッドカード(過剰な力で犯したファウル)だったのかの判定に差が生じると思われる」と話している。

最近では、各国のサッカーリーグでビデオ・アシスタント・レフェリー()と呼ばれるビデオ判定システムの導入が進んでいる。これは試合の映像で明らかに主審の判定が誤りと判断されれば、映像副審が誤審だと申告できる仕組みで、主審は自分で映像を見直すこともできる。誤審の減少が期待される一方で、試合の進行を妨げるとの批判もあり、VARの導入には賛否両論の声がある。

Spitz氏は「映像の再生速度で審判の判定が変わるとする今回の研究結果は、VARのガイドラインを作成する際に考慮すべき重要なポイントになる」と強調。開催中のW杯でもVARはしばしば議論を呼んでいることから、タイムリーな研究だとしている。

また、Spitz氏によると、スロー再生映像は、誰が反則をしたのか、実際に接触があったのか、ファウルはペナルティエリア内だったのかどうかを明確に判定するには有用な可能性がある。しかし、選手が意図的に反則したのかどうかなど、人間の感情を判定するとなると話は違ってくるという。「例えば、法廷ではスロー再生の映像は意図的であるとの印象を強めてしまうため、こうした映像は証拠として使われない」と説明している。(HealthDay News 2018年6月20日)

▼外部リンク
Video Replays Affect Soccer Refs’ Thinking

HealthDay
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