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9.11、WTCビル崩壊現場で対応した救助隊員の発がんリスク高く

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2018年05月18日 AM10:00

同時多発テロのビル崩壊現場の救助隊員にがんリスク増大

2001年の米同時多発テロが起こったときに世界貿易センター(WTC)ビル崩壊現場で対応にあたった救助隊員の多くは、今や自らが生き残るための私的な闘いと向き合っている。ビル崩壊現場で救助活動をしたニューヨーク市消防署員は、今後10年間でほかのニューヨーク市民に比べて高い割合でがんを発症し得ることが二つの新しい研究で明らかにされた。2報とも「JAMA Oncology」の4月26日オンライン版に掲載された。


画像提供HealthDay

両方の研究に携わったニューヨーク市消防局(FDNY)世界貿易センター健康プログラムのRachel Zeig-Owens氏は、「当時崩壊現場で対応した人たちを対象に、少なくとも今後15~20年はがんスクリーニングを継続する必要がある」と述べている。WTCビルが崩壊したとき、現場の人々は空気中に浮遊する重金属、炭化水素、アスベストをはじめ、多数の発がん性物質を含めた毒素に曝された。「ビル一棟分が中にあった全ての物とともに粉々に砕かれ、その粉塵が降る中で呼吸をしているところを想像してみてほしい」と同氏は語る。

まず、一つ目の研究では、同時多発テロから20年の間に、WTCビル崩壊現場で救助や復旧の作業にあたり粉塵に曝露した集団1万4,474人に、新たに2,960例ががんを発症すると推定された。白人男性の集団1万2,374人に限定したサブグループ解析では、シミュレーションに用いたニューヨーク市の人口統計グループよりも高い発症率を示し、予測される症例数が大幅に増加していた(2,714例対2,596例)。特に前立腺がんや甲状腺がん、メラノーマ()のリスクが高く、一方で肺がんや大腸がん、腎がんは低いことが分かった。診断後、最初の年にがん治療にかかる費用の推定は、20年間で2億3500万を超えると算出された。「一般的には診断されてから1年目の治療費が最も高額となるため、今回の解析は初年に焦点を当てた」と同氏は説明している。

次に、米メモリアル・スローン・ケタリングがんセンターのOla Landgren氏らによる研究では、2001年9月11日から2017年7月までの間に多発性骨髄腫と診断された16人の消防士について調査した結果、発症年齢の中央値(57歳)が一般集団よりも10~15年若く、一般の人々に比べて悪性度の高い生物学的な特徴が認められた。今後の発症を予測するため、WTCのビル崩壊現場にいた781人の消防士から採取した血液を分析し、多発性骨髄腫の前兆とされるMGUS(意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症)の有無を調べた。その結果、MGUSの比率は毒素に曝露していないミネソタ州の人々の集団の約2倍であった。

米国がん協会(ACS)のOtis Brawley氏は「このがんリスク上昇のどこまでがWTCの現場対応に起因するものかは、正確にはわからない」と話す。「消防士はもともと平均よりもがんの発症率が高いため、影響を正しく評価するのは困難である」と同氏は指摘し、「WTCで現場対応した集団を、シカゴ、フィラデルフィア、ボストン、デトロイトなどの消防士と比較してみたい」と述べている。Zeig-Owens氏によると、WTCのビル崩壊現場で活動していない消防士との比較を行う追跡研究も進められているという。(HealthDay News 2018年4月26日)

▼外部リンク
Many Ground Zero Rescue Workers Battling Cancer Years Later

HealthDay
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