医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > テクノロジー > iPhoneによる治験支援システムにNECの音声認識ソリューションを導入-シミック

iPhoneによる治験支援システムにNECの音声認識ソリューションを導入-シミック

読了時間:約 1分15秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2018年04月04日 AM11:20

the WISE」の音声認識技術を活用

シミックホールディングス株式会社は4月2日、iPhoneアプリによる治験支援システムに、日本電気株式会社(NEC)の最先端AI技術群「NEC the WISE」の1つである音声認識技術を活用した音声認識ソリューションを導入したと発表した。

医薬品開発で必要とされる臨床試験では、被験者の身長や体重、服用している薬剤、検査値など大量のデータ入力業務が発生する。これまで治験施設支援機関()では、これらのデータをパソコンで手入力してきたため、打ち間違いや入力漏れなどの可能性があった。こうしたミスを防ぐために、複数の治験コーディネーター(CRC)や治験監督者が入力データの再確認を行う必要があり、これらの非効率・煩雑な業務が課題となっていた。

4月から全CRCが同システムを使用

シミックは、音声認識技術を活用し、SMOの音声による治験データ入力や業務進捗管理に対する実証実験を2018年3月から開始しており、SMOのCRC50名が同システムを使用している。2018年4月からは、日本全国の全CRCが同システムを使用し、業務効率化や質の向上について検証する予定だという。

今回、シミックとNECが共同で開発した音声支援システムには、データの入力ミスや漏れが起きにくい工夫が施されている。音声ガイダンスが必要な情報名を挙げ、ある項目の入力が済むまで、次の項目に移動できない仕様だ。また、通常の数値から明らかに逸脱しているデータを入力した場合、音声によって警告する事で、入力間違いを減らすことも可能としている。

今後両社は、入力されたデータをAIで解析することにより、治験の効率化だけでなく、質の向上なども図っていく考えだ。また、それらにCRCのノウハウを組み合わせることで、副作用が起こりやすい、薬剤の飲み忘れが起きやすいパターンなどを検知できるようになり、患者および医療者に注意喚起できるような仕組みを開発する予定としている。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 テクノロジー

  • ステージ4肺がん、電カルデータから高精度に予後予測するAIを構築-近大ほか
  • ペット型ロボットは、無菌室での長期療養患者への心理面支援に「有効」-東京医科大
  • 介護保険の質疑応答、生成AIチャットボットのシステムを開発-岡山大
  • 視覚障害者を支援、AI活用の写真撮影システム「VisPhoto」開発-大阪公立大ほか
  • 子宮肉腫の術前診断、AIで自動化するシステムを開発-東大ほか