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キイトルーダ、局所進行性または転移性の高頻度マイクロサテライト不安定性がんで申請-MSD

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2018年04月03日 AM11:00

臓器非特異的な共通バイオマーカーで国内初の申請

MSD株式会社は3月30日、局所進行性または転移性の高頻度マイクロサテライト不安定性()がんに対する効能・効果について、抗PD-1抗体「キイトルーダ(R)」(一般名:(遺伝子組換え))の製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったと発表した。

キイトルーダは、T細胞に主に発現する受容体であるPD-1と、腫瘍細胞に発現するリガンドPD-L1およびPD-L2の相互作用を阻害する抗PD-1抗体。国内では、2017年2月15日に発売。これまでに「根治切除不能な悪性黒色腫」、「PD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」、「再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫」、「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がん」の効能・効果で承認されている。

国内において、臓器非特異的なさまざまながんの共通のバイオマーカーでの適応で承認されたがん治療薬は、これまでにない。

消化器系のがんなどでよくみられるMSI-Highを示す腫瘍

MSI-Highは、傷ついた遺伝子の修復機能異常を示すバイオマーカー。細胞は、細胞分裂にともなう遺伝情報の複製においてDNAの複製ミスが発生した場合、修復機構が働いてそのミスを修復している。この修復機構の機能低下によって、DNAの繰り返し配列(マイクロサテライト)が正常な細胞と異なる状態になっていることをマイクロサテライト不安定性(MSI)と呼ぶ。

MSI-Highを示す腫瘍は、大腸がん、胃がんや膵臓がんなどの消化器系のがん、子宮内膜がんでよくみられ、頻度は低いものの乳がん、前立腺がん、、甲状腺がんなどでもみられる。転移性大腸がんでは、患者の約3~5%にMSI-Highを示す腫瘍がみられる。(遠藤るりこ)

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