医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > mTOR阻害剤ラパリムスゲル、結節性硬化症に伴う皮膚病変で承認-ノーベルファーマ

mTOR阻害剤ラパリムスゲル、結節性硬化症に伴う皮膚病変で承認-ノーベルファーマ

読了時間:約 1分17秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2018年03月28日 PM12:30

先駆け審査指定・希少疾病用医薬品のラパリムスゲル

ノーベルファーマ株式会社は3月26日、先駆け審査指定および希少疾病用医薬品である「0.2%」(一般名:)について、結節性硬化症に伴う皮膚病変の効能・効果で製造販売承認を取得したことを発表した。

遺伝性の希少疾患である結節性硬化症では、発達障害や脳、皮膚、腎など全身の種々の臓器に腫瘍性病変が生じる。中でも顔面の血管線維腫などの皮膚病変は高頻度に出現し、思春期頃より著明になる症状で、患者に苦痛を与え、生活の質を著しく低下させる。

皮膚病変に対する現行治療法は、外科手術やレーザー治療といったいずれも侵襲性の高い療法であり、小児や発達障害を伴う患者では施行が困難で、重篤になるまで無治療とされることが多く認められた。そのため、安全で簡便かつ有効な治療薬が長年切望されてきた。

製造販売承認申請から6か月に満たないスピード承認

そこで、大阪大学大学院医学系研究科の金田眞理講師ら研究グループは、結節性硬化症の病態からmTOR阻害剤であるシロリムスに注目。これの外用治療薬の研究開発を進め、厚生労働省難治性疾患実用化研究支援事業、日本医療研究開発機構()、大阪大学医学部附属病院薬剤部および大阪大学医学部附属病院未来医療開発部の協力のもと、結節性硬化症患者の顔面皮膚病変を対象とした医師主導治験(第1/2相試験)を実施。シロリムスゲル剤が同疾患の血管線維腫に安全かつ極めて有効であることを明らかにした。この研究成果は、米国科学誌「JAMA Dermatol」に掲載されている。

この研究成果を受け、ノーベルファーマはラパリムスゲル0.2%について血管線維腫を有する患者を対象とした第3相比較試験および長期投与試験により、効果と安全性を検証。2017年10月に製造販売承認を申請し、6か月に満たない短期間での承認取得となった。

なお同剤は、2015年10月に先駆け審査指定制度において、医薬品第1号となり、2015年12月に希少疾病用医薬品に指定されていた。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • 全身型重症筋無力症治療薬ヒフデュラ配合皮下注を発売-アルジェニクス
  • バビースモ、網膜色素線条P3試験で主要評価項目達成-中外
  • 婦人科疾患の診断や不妊治療に有用な免疫検査パネルを発売-シスメックスほか
  • 新型コロナの次世代 mRNA ワクチン「コスタイベ筋注用」、国内第Ⅲ相試験で既存オミクロン株対応2価ワクチンに対する優越性検証を達成-Meiji Seika ファルマ
  • SGLT2阻害薬、糖尿病関連腎臓病の進行を抑える新たな仕組みを発見-岡山大ほか