医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > ヒト着床前胚の遺伝子発現を解析、母親年齢が胚の一群の遺伝子発現に影響ー東京医歯大

ヒト着床前胚の遺伝子発現を解析、母親年齢が胚の一群の遺伝子発現に影響ー東京医歯大

読了時間:約 1分6秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2018年03月07日 PM02:20

体外受精での出生数は年間5万人を超え、増加傾向に

東京医科歯科大学は3月5日、着床前のヒト胚の遺伝子発現を詳細に解析し、胚の遺伝子発現プロフィールと両親の年齢との関係を明らかにしたと発表した。この研究は、同大難治疾患研究所エピジェネティクス分野の幸田尚准教授と、同大大学院医歯学総合研究科生殖機能協関学分野の久保田俊郎名誉教授の研究グループが、関連施設との共同研究で行ったもの。研究成果は、「Scientific Reports」オンライン版で発表されている。

日本における体外受精での出生数は、2015年度には年間5万人(20人に1名)を超え、増加傾向にある。安全な体外受精を行いながら臨床妊娠率を向上させるためには、環境要因や体外受精の要素技術が、胚発生や胚の遺伝子発現にどのような影響を及ぼすかといった基礎的なデータの蓄積が重要だと考えられていた。

良好胚の鑑別を同定する開発的研究へ

研究グループは、ヒト着床前胚の全遺伝子の発現レベルを胚ひとつずつ解析し、さまざまな因子との関係を詳細に解析した。その結果、着床前胚において両親の年齢、特に母親の年齢が胚の一群の遺伝子発現に影響を及ぼす因子であることが明らかになったという。

一方、母親年齢の上昇に伴って発現が低下する遺伝子として、減数分裂時の染色体分配に重要な遺伝子が多く含まれていた。これまで、母親の年齢が上がるにつれて胚の染色体異常が増えるため、結果として妊娠率が低下することが知られてきた。今回の研究の成果は、その機構を明らかにするための重要な発見であると考えられる。今回の研究で同定した母親年齢の上昇に伴って発現が低下する遺伝子は、不妊治療において良好胚の鑑別を同定する開発的研究へつながることが期待される。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • コロナ禍のディスタンス、「レジャーとの距離」「知人との面会制限」がストレス-QLife
  • 重度な認知障害を有するAD患者は、新型コロナの認識率/うつ傾向低い-東京医大
  • 子どもの運動不足に、親の生活習慣も影響していることが判明-富山大ほか
  • 胃がんの腹膜播種における腫瘍組織の線維化に、肥満細胞が分泌のIL-17Aが影響-金沢大
  • IgG4関連疾患・自己免疫性膵炎の新規バイオマーカーとしてI型IFNとIL-33を同定-近大