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中外製薬次期CEOの小坂氏、3つの経営方針語る-17年通期決算会見で

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2018年02月02日 PM07:30

17年通期決算はcore営業利益が初の1000億円突破

中外製薬株式会社の次期最高経営責任者(CEO)に内定している小坂達朗代表取締役社長最高執行責任者(COO)は2月1日、同社の2017年通期決算会見で自身の今後の経営方針として、(1)企業価値向上、(2)ロシュとのシナジーの拡大、(3)未来を担う人材育成の強化、の3点を重視していく考えを示した。


次期CEO内定の小坂氏

小坂社長は企業価値向上について、「財務的な企業価値のみならず社会的企業価値も高めたい」との抱負を強調。その方策の1つとして「イノベーションへの集中」を掲げ、「『Beyond the pill』としてもAI、ICT、ビッグデータ、クラウドなどの活用を考えるとともに、薬だけではない、いわゆる『Around the pill』として次世代遺伝子シークエンサーに関する事業や新たな遺伝子治療、核酸治療をウォッチしていく」と説明した。

一方、同日発表した2017年通期連結決算内容は、売上高が前期比8.6%増の5341億9900万円、営業利益が同28.7%増の989億3400万円、当期純利益が同35.3%増の735億4100万円の増収増益になった。売上高は過去最高で、core営業利益は1032億円と、初めて1000億円を突破した。

業績好調の最大の要因は、自社開発品である退形成性リンパ腫キナーゼ(ALK)融合遺伝子陽性肺がん治療薬「」が、親会社のスイス・ロシュ社への輸出で前期比275.7%、実額で102億円増の139億円と大幅に売り上げを伸ばしたこと。アレセンサに関しては国内でも前期比40.1%増の167億円に伸長した。

がん免疫療法は「」など3本柱で開発

2018年通期業績に関しては、売上高は前期比1.4%増収の5415億円と予想。その内訳は、国内事業が薬価改定や新薬創出加算の解消なども含め前期比3.5%減の3748億円、ロシュへの輸出に関しては前述のアレセンサやヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体「」の伸長により30.4%増の996億円など。また2018年のcore営業利益は引き続き1000億円超の1080億円と見込んでいる。

また、2017年10月の第3四半期決算発表後の開発パイプラインの進捗に関しては、1月19日に免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-L1抗体)「テセントリク」が切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん()の二次治療で承認を取得。2017年11月にテセントリクのNSCLCに対する一次治療でのフェーズ2/3、ポラツズマブ ベドチンのびまん性大細胞型Bリンパ腫に対するフェーズ3、RG7916の脊髄性筋萎縮症に対するフェーズ2、RG6206のデュシェンヌ型筋ジストロフィーに対するフェーズ2/3、ネモリズマブのアトピー性皮膚炎に対するフェーズ3が開始されたことを報告した。2018年に入ってRG7440のトリプルネガティブ乳がんに対する一次治療でのフェーズ3もスタートした。

さらに近年、注目が集まっているがん免疫療法に関して小坂社長は、先ごろ承認を取得したテセントリク以外に、中外製薬の独自技術で創製した抗グリピカン3/CD3バイスペシフィック抗体「ERY974」、ロシュから導入である抗CEA/CD3バイスペシフィック抗体「RG7802」の3本柱で開発を進めていく方針を明らかにした。

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