医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > エミシズマブ、インヒビター非保有血友病A対象P3試験で出血頻度を有意に減少-中外

エミシズマブ、インヒビター非保有血友病A対象P3試験で出血頻度を有意に減少-中外

読了時間:約 1分47秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2017年11月22日 PM02:15

第VIII因子の補因子機能を代替するバイスペシフィック抗体

中外製薬株式会社は11月20日、)が、インヒビター非保有の血友病Aに対する第3相国際共同治験HAVEN3試験(NCT02847637)で、主要評価項目を達成したと発表した。同試験の詳細な結果は、今後開催される医学会にて発表される予定だ。

エミシズマブは、同社独自の抗体改変技術を用いて創製されたバイスペシフィック抗体。活性型第IX因子と第X因子に結合し、血友病Aで欠損または機能異常を来している第VIII因子の補因子機能を代替する。

同剤は2017年11月に、「血液凝固第VIII因子に対するインヒビターを保有する成人および小児の血友病A(先天性第VIII因子欠乏症)患者に対する週1回の皮下投与による予防投与療法」として、)より承認を取得(米国製品名:HEMLIBRA(R)、承認申請者:ジェネンテック社)。欧州においても、インヒビター保有の血友病A患者を対象として欧州医薬品庁へ承認申請済みで、迅速審査(Accelerated Assessment)の指定を受けている。日本では、2016年8月に「インヒビターを保有する先天性血液凝固第VIII因子欠乏患者における出血傾向の抑制」を対象に、厚生労働省より希少疾病用医薬品に指定されており、2017年7月に厚生労働省への承認申請を行っている。

第VIII因子製剤の予防投与から切り替えた群で出血回数を有意に減少

HAVEN3試験は、エミシズマブを週1回または2週に1回定期的に皮下投与した際の有効性、安全性および薬物動態を評価するランダム化オープンラベル多施設共同国際第3相臨床試験。同試験は、試験開始前に第VIII因子製剤による予防療法もしくは出血時止血療法を受けていた、血液凝固第VIII因子に対するインヒビターを保有しない12歳以上の血友病A患者152名を対象に実施した。主要評価項目は、エミシズマブ定期投与群(A群(n=34)およびB群(n=34))の非投与群(C群(n=17))に対する出血頻度の抑制。副次的評価項目には、関節出血頻度、標的関節出血頻度、健康に関連する生活の質(HRQoL)スコア/健康状態、第VIII因子製剤の予防投与から同剤の定期投与に切り替えた群(D群(n=40-60))における切り替え前に対する出血頻度および安全性等が含まれている。

試験の結果、主要評価項目では、エミシズマブの定期投与により出血頻度の統計学的に有意な減少が確認された。また、副次的評価項目である第VIII因子製剤の予防投与から同剤の定期投与に切り替えた群での患者内比較において、切り替え後の統計学的に有意な出血回数の減少も示されたという。この試験で最も多く確認された副作用は注射部位反応で、これまでの試験と同様だった。また、同試験で血栓塞栓関連の事象は確認されなかったという。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • 全身型重症筋無力症治療薬ヒフデュラ配合皮下注を発売-アルジェニクス
  • バビースモ、網膜色素線条P3試験で主要評価項目達成-中外
  • 婦人科疾患の診断や不妊治療に有用な免疫検査パネルを発売-シスメックスほか
  • 新型コロナの次世代 mRNA ワクチン「コスタイベ筋注用」、国内第Ⅲ相試験で既存オミクロン株対応2価ワクチンに対する優越性検証を達成-Meiji Seika ファルマ
  • SGLT2阻害薬、糖尿病関連腎臓病の進行を抑える新たな仕組みを発見-岡山大ほか