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ハラヴェンとレンビマ、抗PD-1抗体との併用療法臨床試験で症例登録数拡大-エーザイ

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2017年09月08日 PM01:00

トリプルネガティブ乳がんと子宮内膜がんがそれぞれ対象

エーザイ株式会社は9月6日、微小管ダイナミクス阻害剤エリブリンメシル酸塩(製品名:(R))およびマルチキナーゼ阻害剤レンバチニブメシル酸塩(製品名:(R)、Kisplyx(R))について、米Merck社の抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(製品名:(R))との併用療法に関する臨床第1b/2相試験において、目標症例登録数を拡大することをそれぞれ発表した。/ペムブロリズマブ併用療法ではトリプルネガティブ乳がん、レンバチニブ/ペムブロリズマブ併用療法では子宮内膜がんの目標症例登録数を拡大する。

今回の目標症例登録数の拡大は、現在両社提携のもと実施しているエリブリン/ペムブロリズマブ併用療法の転移性トリプルネガティブ乳がんを対象とした臨床第1b/2相試験(218試験)と、レンバチニブ/ペムブロリズマブ併用療法に関する複数の固形がんを対象とした臨床第1b/2相試験(111試験)の子宮内膜がんコホートの、それぞれの良好な中間解析結果に基づくもの。

それぞれの主要評価項目はORR

218試験では、がん化学療法による2レジメン以下以下の前治療歴のある転移性トリプルネガティブ乳がん患者95名(臨床第1b相試験12人、臨床第2相試験83人)を対象に、21日を1サイクルとして、エリブリン1.4mg/m2を1日目と8日目に静脈投与、ペムブロリズマブ200mgを1日目に静脈投与。主要評価項目として、第1b相パートでは安全性と忍容性を、第2相パートでは奏効率(ORR)を評価。副次評価項目は、無増悪生存期間(PFS)を評価する。

中間解析の結果(n=39)、エリブリン/ペムブロリズマブ併用療法によるORRは33.3%(完全奏効1人および部分奏効12人)だった。また、併用療法にはPD-L1の発現の有無にかかわらず同程度の抗腫瘍活性があることが示唆されたという。併用療法で高頻度に確認された有害事象の上位5つは、疲労、悪心、末梢神経障害、好中球減少、。今回の中間解析結果に基づき、約150症例まで拡大する予定だとしている。

111試験の臨床第1b相パートでは、最大耐性量の決定を主要目的とし、標準治療後に進行した、または適切な治療法がない固形がん(、子宮内膜がん、尿路上皮がん、、メラノーマ)患者対象に、レンバチニブは24mg/日(3人)または20mg/日(10人)の用量を経口投与し、ペムブロリズマブは3週ごと200mgを静脈内投与。臨床第2相パートでは、化学療法による2レジメン以下の前治療歴のある固形がん患者対象に、臨床第1b相パートの結果、推奨用量に決定したレンバチニブは20mg/日、ペムブロリズマブは3週ごと200mgを投与した。主要評価項目はORR。副次評価項目は臨床的有用率、病勢コントロール率、PFS、奏効期間などを評価する。

中間解析の結果(n=23)、レンバチニブ/ペムブロリズマブ併用療法によるORR(24週時点)は、独立画像判定では52.2%(95%信頼区間:CI=30.6–73.2)、主治医判定では47.8%(95%CI=26.8–69.4)だったという。また、併用療法では、マイクロサテライト不安定性の状態に関わらず腫瘍の縮小が観察された。併用療法で高頻度に観察された有害事象の上位5つは、高血圧、疲労、関節痛、下痢、悪心。今回の中間解析結果に基づき、目標症例数を約100症例まで拡大する予定で、すでに症例登録が進んでいるという。(遠藤るりこ)

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